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さだまさしさんのお庭から         vol.11 ひまわり

『ゆだねられた悲しみ』『ひまわり』『君が選んだひと』『向日葵の影』

ひまわりは、恐らく誰でも絵が描ける程、子供の頃から親しまれている花の一つではないでしょうか?
大きな円で種ができる部分を描いたら、円の周りをぐるりと花びらで囲むと出来上がり。高さや大きさによって迷路が作られたり、切り花としてアレンジメントや生花に用いられます。
おなじみのひまわり以外にも色や形が異なる種類が幾つかあり、「ゴッホのひまわり」「モネのひまわり」「ゴーギャンのひまわり」など画家の名前がついた品種もあります。
真夏の暑さを物ともせず、太陽に向かって真っ直ぐ明るい色合いで咲くひまわりに魅了されるのは、画家ばかりではありませんよね。
そんなひまわりが登場する唄の中で、『向日葵の影』は異質な印象を放っています。

このひまわりは精霊流しの船、つまり初盆を迎える船に飾られています。8月15日の夕刻、西方浄土に沈む陽を追いかけてひまわりは俯き、愛しい人の遺影はただ静かにその影を眺めている―きっとそれは誰にでも描けるシンプルで小さなひまわり。
そして小さな写真の君は、在りし日、この花をとても愛していたのでしょう。

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