退職を申し出た日

2021年6月下旬、オランダ移住コンサルタントからオランダの入国制限が解除されたという連絡がありました。

心の中で、ついにきたかと思いました。

それから約2週間後、意を決して上司に退職の意向を伝えるための面談を申し込みました。
上司は私からのメールを受け「面談ってなんの話しですか?」と探りをいれてきましたが、直接話そうと決めていたので、面談の際にお伝えしますと返信しました。
その時点でおそらく上司は何のことだか察しはついたでしょう。

面談当日、私は朝から緊張していました。

入社から16年が経過し、今のチームに入ってから10年以上たっています。
組織の在り方や意見が合わず、上司と対立したこともありましたが、
それでも長く正社員として所属していた会社を離れるのは不安でした。

会議室で上司と向き合い座りました。
どこか張り詰めた空気がただよいます。
笑顔もなく、威圧するようにこちらを見ている上司に「実は退職したいと思っています」と伝えました。

上司は冷めた目でこちらをみながら「うーん」といっていました。
私は続けて「オランダに移住しようと思っています」と伝えると
それまでの上司の表情が一変し、
目をまん丸く見開いて「えーーーーー!!!」と大声を出して驚きました。

私は続けて「これは長年の夢で、最近オランダの入国が可能になったのでこのタイミングで移住をしようと思っている」と告げました。

すると上司は「〇〇さん(私)って行動力あるよね。オランダ移住じゃ諦めるしかないね。」といって、さっきまでのこわばった表情はゆるみ、場の空気は和みました。

その後、具体的に退職日や有給消化の希望を伝えると上司はすんなり受け入れてくれました。
そして「私の夢の実現を応援したい気持ちと、仕事の引継ぎをどうしようかという気持ちで混乱している」といっていました。

面談後、上司はすぐにチームのメンバーに私の退職を伝え、仕事の引継ぎが次のミッションになりました。

この16年間、もう無理だと思うことが何度もありました。
このまま人生の変化がなく終わってしまうのではないかと絶望したこともありました。
でもいまこうして50歳を前に節目を迎えられてとてもうれしいです。

新しいチャレンジは恐いですが、やりたいことにトライせず、このまま今の会社にしがみつく人生はもっと恐いです。

退職を上司に伝えた後は、しばらく気持ちが混乱していました。

あれから一か月がたって今少しずつ新しい人生に向かっている実感がわいてきました。

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