【ディープ鹿児島】#013 スターバックスコーヒー 鹿児島仙巌園店

旧薩摩藩主島津家の別邸で、世界文化遺産にも登録されている観光の定番スポット仙巌園。その隣にあるスターバックスは登録有形文化財「旧芹ケ野島津家金山鉱業事業所」を改装した店舗になってます。仙巌園の観光の際、県外の方と一緒に行くと喜ばれるスポットになっていますが、歴史や鹿児島の手仕事に想いを馳せられる場所でもあります。(SELF編集部 小平)

歴史を紐解くと、もともと鹿児島は日本有数の金の産出県でした。菱刈と並んで金の採掘で有名だったのは、いちき串木野市の金山でした。その串木野にあった島津県の金鉱山事務所を移築したのがこちらの建物になります。この建築デザインが面白いのは、外壁はアーチ、ベランダもあり洋風なのに屋根は瓦という和洋折衷のデザインです。こちらも隣の博物館の尚古集成館ではさまざまな島津家の歴史や殖産興業の取り組みを見ることが出来ますが、そのような和洋折衷のマインドを外観のデザインからも感じることができます。

そして、中のインテリアが特におしゃれです。スターバックスのページによると薩摩切子の格子のデザインにインスピレーションを受けた“Grid“がデザインのテーマだそう。伝統的な手仕事のイメージも残しつつ、モダンなデザインでとても刺激を受けつつ落ち着きます。

カウンターも格好良すぎ。廊下や部屋の壁には金山やさまざまな歴史にまつわる写真が飾られています。そういうアートワークは歴史のことを学ぶごとに様々なストーリーを語りかけてくれます。筆者(小平)の生まれは串木野で祖父母は金山にいるお金持ち相手にLPガスの事業を始めました。そのころの金山の話を祖父母にも聞いていたので、感慨ひとしおです。

以前、鹿児島市内に住んでいたときは週末にこのスタバに朝食を食べに行くのが毎週の楽しみでした。ぜひ、仙巌園にお立ち寄りの際は隣りですので、歴史散歩の一環としても是非お立ち寄りください。