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Community Based Companies Forum in NAGANO レポート

(SELF編集部:かつ しんいちろう)

去る2023年2月18日と19日の2日間、長野市を舞台として、第3回目のCommunity Based Companies Forum(略称CBCフォーラム)が開催されました。SELFからは、代表理事の3人と理事の勝が参加。

まだまだ咀嚼しきっていませんが、その場で得たヒントをいくつか共有したいと思います。

CBCフォーラムとは?

京都市は2019年に「京都市地域企業の持続的発展の推進に関する条例」を制定しました。条約の英文訳を行なう際、「地域企業」を「Community Based Companies」と訳しました。このことを起点に、「地域企業って何だろう?」「どんな地域企業があって、その地域企業はどんな役割を担っているのだろう?」「これから存在して欲しい地域企業とはどんな姿をしているのだろう?」というような『問い』が生まれました。

こうした問いに答えるべく、全国各地で活躍する仲間たちと共に考える場としてできたのがCBCフォーラムです。

第1回目は2021年に京都、第2回目は2022年に鹿児島、そして第3回目の今回は長野で開催されました。

物流網を背景としたグローバル化一辺倒では、世界各地、日本各地で不具合が出てきています。これからの社会は生活圏とほぼイコールのコミュニティが重要性を増す中、「共同体としての豊かさを支える価値」と「経済的な価値」の両方を生み出す地域企業の役割をもう一度地域の中で編みなおす時期に来ています。

CBCフォーラム in 長野の概要

2023年2月18日、19日の2日間開催されました。詳しいスケジュールは、コチラ。

セッションごとのポイント及びキーワード

オープニングセッション

大室悦賀(長野県立大学大学院ソーシャル・イノベーション研究科 教授)
桜井肖典(一般社団法人リリース 共同代表)
瀧内貫(一般社団法人ローカルイノベーションイニシアチブ 共同代表|株式会社コトト 代表取締役|ミリグラム株式会社 取締役)

・わたしたちは構造的アプローチとして「分ける」ことで管理を行なってきた。それの限界を迎えつつある。
・「自然」と「文化」を分けない。統合して考える。
・SDGsも構造的アプローチで進めてきた。2030年以降の開発目標作りはもう始まっており、「分ける」アプローチをとらないことが言われている。
・心のない知識人であってはならない。

from メモ

基調セッションA
「森里海の連なりから考える、川の上流としての役割」

基調セッションA

ゲスト:
田中克(京都大学 名誉教授|NPO法人 森は海の恋人 理事・副代表|「森里海連環学」提唱者)
渡邉さやか(長野県立大学大学院ソーシャル・イノベーション研究科 講師|株式会社re:terra 代表取締役)
モデレーター:
菊地徹(株式会社 栞日 代表取締役|一般社団法人ローカルイノベーションイニシアチブ コーディネーター)

・連関は、inter connectedと訳すと AとBという分かれているものをつなぐとなる。そうではなくて、総体。
・ヒラメは環境に合わせて変態して成長している。人類は変態せず環境を変えようとしている。
・みずからの原体験を大切にする、一方で誰かの原体験の機会を作る。
・森と川と海と私たちの調子を合わせる
・森に暮らして海を想う。
・人は弱い存在である。
・虫たちは高周波で会話している。
・耳で聴くだけでなく、体で聴く(感じる)。
・山への恐れと祈り。
・クリエーターは聴覚優位。
・なるべく多くの人と話をする。

from メモ

基調セッションB
「すこやかな地域経済を育む、イノベーションの速度」

基調セッションB

ゲスト:
柴田文啓(臨済宗妙心寺派 開眼寺 住職)
大室悦賀(長野県立大学大学院ソーシャル・イノベーション研究科 教授)
モデレーター:
瀧内貫(一般社団法人ローカルイノベーションイニシアチブ 共同代表|株式会社コトト 代表取締役|ミリグラム株式会社 取締役)

・お寺は日常の相談をしに行くところ。
・宗教に属さなくても良いが、宗教で語られていることは個人にとっても企業にとっても重要。
・宗教と科学は次元が違うものなので共存できる。
・六波羅蜜の教え。
・between は A「と」Bの間(あいだ)のこと。AでもありBでもある「あわい」は英語では表現できない。

from メモ

ナイトセッション
「『間』に橋を架ける、コーディネーターの役割」

ナイトセッション

ゲスト:
中馬一登(株式会社MIYACO 代表取締役)
野崎恭平(NPO法人 薩摩リーダーシップフォーラムSELF 代表理事|合同会社むすひ CEO)
モデレーター:
塚原諒(株式会社 ツカオ考務店 代表取締役|ドーナツカフェmikko 店主)

・「ええ人」の集まりで会社を作って運営している。
・「ええ人」の定義は大阪と京都では異なる。(どう違うかは割愛します。(^^♪)
・「ええ会社」というのはどういう会社だろう?
・コーディネートしてやろうと強く意識すると失敗する。
・「余白」が生み出すことも多いので大切。

from メモ

A-1:「信州の未来につなぐ、これからの森林」
ゲスト:
香山由人(株式会社山川草木 代表取締役)
奥田悠史(株式会社やまとわ 取締役)
モデレーター:
増村江利子(おかえり株式会社 取締役|合同会社森に還す 業務執行社員)

・人が開発を行なっても森はびくともしない。
・林業と漁業が憧れの職業になっている。

from メモ

B-1:「個人のウェルビーイングから起こす、『いい会社』のつくりかた」

B-1 セッション

ゲスト:
田野口直生(長野エーシーエス 代表取締役)
鳥居希(株式会社バリューブックス 取締役|B Corpハンドブック 編集)
モデレーター:
川地尚武(信州大学 特任准教授|一般社団法人ローカルイノベーションイニシアチブ 監事)

・社是に「やさしさ」を加える。
・働きたい人が働きやすい環境。
・志が異なる社員はお互いのために転職を勧める。
・B corp は benefits for all  。認証基準でありムーブメントでもある。世界で約6,000社が認証を受けているが日本企業は20社程度。取得が難しい認証制度。
・B corpの基準に沿ってみたら「いい会社」が見えてきた。
中央値を取らない。ましてや平均値は無意味。個別具体を見る。
・利他の心。
・善、社会善(social good)とbenefits for all の関連。

from メモ

A-2:「『平』や『谷』、土地の物語性から紡がれる地域経済」
ゲスト:
宮坂直孝(宮坂醸造株式会社 代表取締役|長野県酒造組合 会長)
三枝大祐(塩尻市役所職員(一般財団法人 塩尻市振興公社出向)|スナバ運営チーム|長野県立大学ソーシャル・イノベーション研究科|株式会社たのめ 企画共同創業者)
モデレーター:
瀧内貫(一般社団法人 ローカルイノベーションイニシアチブ 共同代表|株式会社コトト 代表取締役|ミリグラム株式会社 取締役)

・毎日奥様と4合の美味しいお酒を飲むことが楽しみ。世界のため、マーケットのためでなく、自分が好きなことを追い求めてきた。

from メモ

B-2:「地域やコミュニティを支える、わたしたちの『よりどころ』」

B-2 セッション

ゲスト:
武捨和貴・黒岩友香(特定非営利活動法人リベルテ)
藤岡聡子(ほっちのロッヂ 共同代表)
モデレーター:
菊地徹(株式会社 栞日 代表取締役|一般社団法人 ローカルイノベーションイニシアチブ コーディネーター)

・「拠り所」とすると依存関係が出てくるので、単に「居場所」でよいのでは。
・障がい者とそうでない人、患者とそうでない人を分けず、境界をあいまいにする。分けることで分断が生まれ、視野が狭くなる。
・視線を「ズラす」ことで感じられることもある。
・利用者と呼ばずメンバーと呼ぶ。
・週に1回「わたしたちのことを考える会」(通称「わた会」)でよく話す。
・高齢者しかいない世界は不自然で気持ち悪い。いろんな人たちがごちゃまぜでいる空間にしたい。
・哲学者の鶴見俊輔が提唱した「限界芸術」の世界を取り入れたい。専門家によってつくられ、専門家によって受け入れられる芸術を「純粋芸術」(Pure Art)、同じく専門家によってつくられるが、大衆に楽しまれる芸術を「大衆芸術」(Popular Art)と定義。非専門的芸術家によってつくられ、非専門的享受者によって享受される芸術を「限界芸術」(Marginal Art)と定義している。
・障がい者施設も地域に開かれた場所として存在したい。
・施設にこもるののでなく、パレードやバザーなどで街に出ていく活動を。

from メモ

ざっとメモした内容を書いてみたところで、聴く側の感受性と響くポイントと、書いた内容からだけで読み取れることの危うさはありますが、記録として残しておきます。

開催運営をしてくださったLocal Innovation Initiatives(リリー)の皆様、リリースの皆様、全国から参加した志ある皆様ありがとうございました。
リリースの風間さんからあったように「ええ話聞いたわ。」で終わらぬよう、次のアクションが各地各方面で起きることを楽しみにしております。


クロージングセッション







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