投手にとって嫌な打者に

 既出しているのでご存知だと思うが山川穂高選手が全方向へ打つ事を目指している。昨年の全安打数134本のうち左方向へ.626の84本(内本塁打が.826の36本)、中方向へ.268の36本(内本塁打が.116の5本)
右方向へ.104の14本(内本塁打が.064の2本)と極端な引っ張り専門の打者というのが分かる。その彼が全方向(特にセンターから右方向を意識)へ打てるようにするにはどうしたらいいのだろうか?
 右方向へ打つにはより相手投手の球を長く見る事が求められる。そうすると自ずと選球眼がよくなる。つまり右方向へ大きいのを打てる打者というのは相手投手からみたらとても厄介な打者になる。
 西武ライオンズの背番号3で右方向へ大きいのを打てる人物といえば清原和博氏が真っ先にあがる。通算500本以上の本塁打を打ってる選手の中で唯一全方向へ100本以上の本塁打を打ってる事、そしてその彼の代名詞ともいえる右打ちが選球眼の良さと比例している証拠に彼はシーズン100四球が2度、シーズン最多四球を4度記録している。通算1346四球も歴代4位という選球眼の高さがうかがいしれる。
 また清原氏の他に3番を背負った現楽天の浅村栄斗選手についても一昨年メットライフドームに来場された森祇晶氏が「追い込まれてから右方向へ打てるのは相手投手からしたらとても嫌な打者」と話をされていた。
 ライオンズにはスタメンに盗塁やベースランニング等の走塁能力に優れている選手が外崎、源田、金子と3人もいる。加えて今年から自分のストロングポイントを足、と言ったスパンジェンバーグ選手が加わった。今年から秋山翔吾という得点力が失われる。右方向へ打てる浅村、最多得点を誇る切り込み隊長、2年連続で将棋でいうところの飛車角が失われた事実はその現実にはしっかり目を向けなければならない。
 それをはね除け、ライオンズが誇る走塁能力に優れる選手を活かすには山川選手の右方向への強い意識が求められるだろう。

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