#0. ”ゲイ”であるということ...

最近、The Glass Closetという本を読んだことをきっかけに、色々モヤモヤすることが多く、文字に起こして頭をスッキリさせたいと思います。

私は、ゲイです。ゲイと言っても、男でいたいし(女装とかは本当に無理)、好きになる相手が男であるだけ。今のところ。小中高では、話し方や仕草が女性っぽいことで、いじめられたり、いじられたり、馬鹿にされたりすることはあったけど、男の人をあまり好きになることもなく、と言って女の人を好きになるわけでもなく、恋愛とか性的行為に無関心だった気がします。

ことの始まりはおそらく、洋画の俳優(特に、筋肉質の白人イケメン)への憧れからだったんだと思います。ただそれは”憧れ”で、”好き”というよりは、”なりたい”という思いが強く、男子校の高校に入学したのも散々無くていじめられてきた”男らしさ”を手に入れたいためでした。結局、”自分らしさ”は変えられず、高校でも「ホモ」とからかわれる毎日。でも、なんだかんだ友達はいたし、楽しい毎日でした。

変化が訪れたのは、大学2年夏からの留学でのこと。仲良しグループの長身ドイツ人(しかも、めっちゃ良いやつ)が酔うと体の距離が超近くなることを理由に好きになりました(単純...多分これが初恋?)。ただ、一緒に飲んだ日の朝に、仲良い女の子と寝てるところに遭遇してしまい、玉砕&困惑。そんな時向かったのが、留学前から仲良しの現地校生の家でした。そこには、2人の友達と2人の友達の親友がいて、その内の1人は、すでにカミングアウトをしているゲイでした。その人に勇気づけられて、その場で初めてカミングアウトをしました。そして後日仲良しドイツ人含め、仲良しグループにもカミングアウトしたのです。留学中は、まさに自分に向き合いまくった期間、そしてようやく”ゲイ”であることを自分で認めることができました。

そして帰国後、数名の男性(大半が外国人)とは経験を持ちながらも、カミングアウトは誰にもできませんでした。小学校から”女性らしさ”で馬鹿にされてきた自分は、プライドも高く、カミングアウトすることで自分が過小評価されるのでは?また、馬鹿にされるのでは?という恐怖心があるのだと思います。正直、”ゲイ”である自分は認められたけど、それをネガティブな側面だと感じている自分がいます。

大学卒業直前に、初めて彼氏ができて(遠距離が無理で別れました)、凄く仲の良い友達には隠しておきたく無くて数名にカミングアウトしました。今までカミングアウトできたのは、留学中の仲良しグループと、日本では10名いないくらい(ほとんど女性)、会社では親友レベルに仲良い1人と、ゲイの同期と後輩2名(なんかバレました)。ある1名を除き、結構国際色豊かな環境に身を置いてきたのと、本当に信頼できる人に伝えたので、スムーズに受け入れて貰えた気がします。

ただ問題なのは、男の人にどうカミングアウトするか。日本って裸の文化多いじゃないですか。カミングアウトすることで、一緒に旅行するのが気まずくなったらどうしよう(特に、温泉)。人によるとは思いますが、誰にでも制欲が湧く訳ではないし...でも、そう言っても相手は気まずいですよね。今好きな人が、会社の同期なんです。旅行とかもよく行く。告白してスッキリしたいけど、今後旅行したりできなくなるのもな...と思うと、⬅︎モヤモヤポイント①

そして、最近ゲイがテーマの作品をよく見ます。Call me by your name、最初で最後のキス、おっさんずラブ、Love, Simon、The Glass Closetなど。みんな素敵な恋愛をしていて羨ましいっ!というのは置いておいて、最後のThe Glass Closetが特に衝撃的でした。世界的企業のCEOでありながら元彼にアウティングされ立場を終われた著者は、自身の経験を元に「クローゼットに籠って(カミングアウトしない)働くということが生産性を低下させる」としています。職場で、私生活を隠す、または嘘をついて仕事をすることは、仕事に回すべき思考を隠す・嘘をつくことに使ってしまうから。

正直、その通りなんです。飲み会で彼女がいるのかと聞かれたり、出張中に風俗に連れてかれたり... 上手く誤魔化すために頭使うのに疲れるんです。そして、自分に嘘をつかないといけない環境、何よりも自分の弱さにイライラするんです。この本を読んでから、そういう話になったら会社でカミングアウトしようかな?この会社にずっと居るつもりはないんだから...と意を決しました。イスラエルに駐在することになったお世話になった上司が言ったのは「イスラエルにはゲイやレズビアンが多いらしいが、触ってほしくないよな笑」。もう無理だって思いました。言えないなって。⬅︎モヤモヤポイント②

大学の時インターンしていた外資の会社では、Diversity & Inclusionとして、女性のみならずLGBTQや障害者の活躍促進に力を入れ、何より個性を尊重を大事にしていました。実際にカミングアウトした上司が先頭に立つことで、ロールモデルがいるような気がしていました。今の会社は、「Diversity促進 = 女性の離職率を減らす・管理職を増やす」と、Diversityの意味わかってる?って感じです。遅すぎるよ。日本全国・世界各国に事務所を持ち、現地職員を雇っているのにこんなんで良いのかよって本当に思います。もっと先頭に立って手本になるべきなのでは?って思います。⬅︎モヤモヤポイント③

何で”ゲイ”であるということだけで、こんな悩まなきゃいけないんだろうって本当に思います。何より基本的に目の前の人に嘘をついてるのが辛いんです。カミングアウトしたときに、「なんか今まで見えない壁を感じてたけど、このことだったんだね」って言われたのが印象に残っています。モヤモヤが止まらない今日この頃です。




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