窓際に活けられた一輪の花が
無機質な壁のそばの優しい彩りが

「まだ私はあなたを忘れていませんよ」

と、でも言いたげに
美しい色でうなだれがちに自分を見ている

その花はけして枯れずに変えられて
季節が移ろい、窓の向こうが冬になっても
変わらず美しい色で自分を見ている

「まだ私はあなたを忘れていませんよ」

美しい色が言う
季節が移ろうとも変わらず
居心地のよいこの部屋に
清潔の匂いのするこの部屋に

いいなと思ったら応援しよう!

石佳の日常 (詩人)
ありがとうございます。喜んで受け取ります⸜(*ˊᗜˋ*)⸝⋆*