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家にいても、遠くの人とつながる日々

ふらりと出かけて、おしゃべりをする。それが難しい日々である。そんなとき、久しぶりに手紙を書いてみる。もちろん、メールでもいいのだが、「どうしていますか。元気? 若葉が生き生きとしてきましたね」などと、書き送るのも悪くない。昔の人は手紙や葉書をよく書いた。そうそう、ラブレターなんてものもあったな。「深夜に書いたら、封をしないで、翌朝読み直した方がいいよ」といったお節介な助言も誰かに言われた記憶がある。

住めば都65-2

最近では、オンラインで会議もできる。先日、仕事ではなく、単に知り合いとのおしゃべりに使ったが、2時間近く話すと、どこかのカフェで一緒に時間を過ごした気分になる。面と向かうときよりも、相手の表情をしっかりと見ることができる。「テレワーク用のお化粧をしなくてはならないので、面倒なの」とグチをこぼした女性もいる。自宅でオンライン会議をやると、背景が気になる。「カーテンを変えなくちゃ」「書棚に本をきちんと並べ直そう」など、インテリアへの関心が高まる。花瓶の花を活け変えて、バックの色合いを華やかにするといった演出も必要だ。住めば都も遷都する。いやはや、住まい選びでも、映像的に映りのいいインテリアかなどと、チラッと考える時代になった。手紙の頃は、みんなが書き手で、時には作家であったけれど、いまや、みんながコメンテーターで、映像作りのセミプロになったようである。

東京カンテイマンションライブラリ 関沢コラムより

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