35 時に一夜漬け、時に古漬けで考える
考えも、発酵します。漬け物と同じこと。一夜漬けという言葉もあります。普通は、期末試験に一夜漬けなどと、準備が足りない場合を言いますが。でも、アイデアを出す場合、「ひと晩でも寝かす」ことをすれば、少しはましな案が作れるはず。
ただし、漬け込むのは複数案に限ります。そうすれば、翌朝、早起きをしてアイデアたちを眺めれば、「これ面白いんじゃないか?」とか、「これとこれを組み合わせれば、いける!」など、冷静な目で判断できるでしょう。
漬け物は、野菜を醤油、酒粕、米ぬかなどと漬け込むことで、できあがる発酵食品。一夜漬け(浅漬け)は、食材と塩を短期間、漬け込みます。一方、もう少し漬け込む時間を長くとると、乳酸発酵も進行。とくに長く漬けたものは、古漬けと呼ばれます。アイデアにも発酵過程があるようで。あらかじめ意識して、短時間でも考えておくと、無意識に色々と考えが考えを生んでいきます。つまり、締め切りまでゆとりがあるからと放っておかずに、10分でもいいから考えてみる。そうすれば、「知恵の乳酸発酵」によって思わぬ企画を生むことができます。
作家が「10年暖めてきたテーマです」とインタビューに答えることがありますが、これなども発酵でしょう。10年漬けの梅干しとか、30年もののなれ鮨なんてものもあるようですから。ま、時に一夜漬け、時に古漬けで頑張りましょう。オリエンテーションを聞いて、その場で思いつくことも多いでしょうが、ひと晩寝かしておくと「いい味」に。「無意識労働」をもっと活用しましょうか。
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