見出し画像

敗れてなお、力強く

結果は結果、出たら変えようがありません。
どれだけの実力者も、負けは負け。
現実を受け止めて、歯を食いしばって、前に進むだけ。
そんな時にこそ、競技者として、人として、
本当の強さが問われるのだと思います。

先週末に行われた陸上日本選手権。
積水化学からは5選手が参加。
その中で、卜部蘭選手は、
800mと1500mの2冠を目指し、
レースに出場しました。

しかし、結果は800mで6位(2分07秒16)、
1500mでは8位(4分17秒77)。
目指した目標には、届きませんでした。

でも、彼女は
「切り替えて前に進むことが大事。世界陸上やオリンピックのファイナリストになって勝負できるように。そこだけはブラさず頑張っていきたい」
と、前を向きます。

できることをひとつずつやるだけ

今年は4日間にわたって開催された日本選手権。
800mと1500mの2種目にエントリーした卜部選手は、
予選と決勝、毎日1レースずつを走りました。

1500mは、初日の予選を勝ち抜くと、2日目の決勝に登場。
序盤から中盤まで、2~4番手でレースを進めます。

残り500m、田中希実選手(豊田自動織機)が集団を
引き離しにかかり、ラスト1周。
残り200mで卜部選手は、3位に順位をあげます。
最後の100mでは必死に脚を動かしましたが、
先頭に届かず。後続にも抜かれ、
8位フィニッシュとなりました。

「序盤はリラックスして入りましたが、最後に脚が動かなくなってしまいました。今後は、できることをひとつずつやるだけだと思っています」
と、レース後に卜部選手は、
悔しさを滲ませました。

画像1

自分の調整力不足

2種目目は800m。3日目の予選を
勝ちぬいて迎えた、最終日の決勝。
8レーンを走る卜部選手は、
落ち着いてレースに入ると、
序盤は4番手前後でレースを展開。
そのまま、ラスト400mを迎えると
スパート合戦へ。

残り200mでは3番手に出て、最終コーナー
立ち上がり直前まで3位をキープ。
逃げ切りを図る塩見綾乃選手(岩谷産業)、
猛追をかける田中希実選手には届かず。
逆に失速し、6位となりました。

レース後に卜部選手は、
「最後は本当に足が止まってしまって。こういう感覚は、本当に久しぶりです。4日間レースが続くのはわかっていたので、その中で勝負できる力が必要になると思っていましたが、狙った結果が出せませんでした」
と、レースを振り返りました。
そして続けます。

「ピークを合わせきれなかったり、自分の調整力だったり、総合的な部分の力が、足りなかったのかなと思います」。


直前まで、思うような練習が
できないところもあった卜部選手。
合宿でも脚が動かなくなることはありましたが、
割り切って参加した今回の大会。

ただ、どんな状況でも、自分の最大の力を出して、
自己ベスト更新を狙うのは変わりません。
彼女の目標はブレずにひとつ。
「1500mで勝負するために800mもこなして、オリンピック世界陸上でファイナリストになって勝負できるようになる。それが一番。そのために試合を短いスパンで回して、毎回ベストを出すのが先につながると思うので、しっかりやっていきたいと思います」

どれだけ苦しくても、前に進む。
この負けを、選手としての成長に繋げられるように、
負けてもなお力強く、未来へ進んでいきます。



文:守本和宏/ナノ・アソシエーション
--------------
積水化学女子陸上競技部 セキスイフェアリーズHP 
https://www.sekisui.co.jp/company/rikujou/
🔔積水化学女子陸上競技部Twitter
👍積水化学女子陸上競技部Facebook
📗積水化学女子陸上競技部note

ご声援よろしくお願いします!!
--------------