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『占星術殺人事件』備忘録

久しぶりにミステリー小説を読みました。
おすすめしてもらったのですがドンピシャで好きなネタで興奮した〜!
自分では選ばない本を読めるからおすすめってありがたいなぁ。

あらすじ
時は1936年。
密室で殺害された画家、梅沢平吉が残した手記には6人の処女の身体の一部を切り取って完璧な女=「アゾート」を創る計画が記されていた。
 相次いで梅沢一家が殺害された、「梅沢家・占星術殺人事件」
一連の事件は40年間以上解決する事なく迷宮入りとなるが、御手洗にこの話が舞い込み犯人を突き止めることになる…!!

冒頭に変態手記があるので挫折しそうになりましたが、何とか読み終えました。
御手洗さんが電話帳って言ってくれて心の底から同意した。

トリックが凄すぎる

 ミステリーものといえば名探偵コナン、あと京極堂シリーズをちらっと読んだことある程度の経験値なので終始圧倒されっぱなし、気づいたら犯人とご対面してました。
でも、必死に頭を動かした分衝撃も大きかったので得した気分です。(ノンキだね)
根本から騙されるなんて…!

美沙子夫人の打算を見抜くシーン、あれすらも伏線だったのでしょうか?
たぶん気付けてないだけで伏線あと100個はある。
状況を上手く利用して姿を消した犯人、驚きと共に物凄く納得しました。

犯人‼️正直1番タイプです!


名前を聞いてやっっと犯人が分かりました。
読む前は最終的に御手洗さんがおいしいとこもってくんやろ、と思ってたんですが、
犯人がそれはもう、めちゃくちゃ魅力的で… 

前述した通りポカーンとしているうちに解決まできてしまったのでトリックについては何も言えません。ので犯人の好きポイントを挙げようと思います。

・頭良し、器量良し
・冷静であり打算的でありロマンチストである
・論理的思考を持ちながら骨の髄まで女の性
・気合い入ってる

 それはもう突き抜けています。まぁ7人殺して竹越さんの人生も奪ってるから当然と言えば当然ですが…
 まず、平吉手記を読み返すと犯人の劣等感や「デモン」といった内心がありありと浮かび上がってくる。
動機、まんま書いてあるじゃん!
 そして御手洗に宛てた遺書には、事件のあらましと動機を赤裸々に綴っています。
この「賭け」がいかにも女性らしいと言うか、
占星術を使って理論的に畳み掛けられるので納得はするけど根本は情や愛であったりする。
そのギャップが堪りません…!好きだ!!

感情に支配されているのにそれを犯行に余す事なく昇華させ、尚且つ計画が狂ってもやり遂げる運の良さもある。
この、御手洗をも驚かせるパワーが他のことに向けられたら…と考えてしまいます。(そういう話じゃないよ)


御手洗についてはよく分からない


俗世を疎んじながらも「人の性格を推理することに1番興味があり占星術を学んだ」という彼、〝近づきたくはないけど観察はしたい〟みたいなスタンスなのでしょうか?
さながら下界の様子を覗き見る大天使的な…?

御手洗と犯人の天才2人の間に漂う空気感が良かったです。
御手洗の野暮なことは受け付けません、というのはどこまでを察してたんだろう…
サイコロを受け取っただけで全て理解したとしたら底知れない…

まとめ

タイミング逃したのでここに書きますが、犯人登場のシーンが「春雷」っていうのすごく好きです。綺麗〜

なんだかんだ言いましたが、
ミステリー小説ってミステリーを楽しんでこそだと思うので修行を重ねようと思います!
次は同じくおすすめしてもらった『異邦の騎士』を読んでみます。シリーズ中でも人気作という事で楽しみだなぁ。


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