sekito

読んでくれた人が、1mmでも生きるエネルギーを感じて頂くために、短編エッセイをコツコツ書いてます。 読んで頂けることに、この上ない嬉しさを感じます。 その上で、自由に思ったことをお伝え頂くと、更に嬉しいです😃 どうぞ宜しくお願い致します🤲 sekito

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最近の記事

スカッとしたい方へ 超短編<僕のヒーロー>

「ミヤケ、キモイ」 「ミヤケ、キモイ」 クラスメイトのほとんどが、一人の生徒に対して、理由もなく人格を否定し、キモいコールを浴びさせていた。 3年4組の教室。 初夏の西日が教室の至る所に、やんわり優しい光を与えてくれていた。 5科目めの授業が終わり、担任の先生が職員室から戻って来て、その日は帰宅するはずだった。 突然、クラスのボスキャラ的なゴリラのような体付きの谷本が、教室の黒板側の入口付近で自分の机の上に座り、足を椅子の上に置いて、みんなに向かって一言放った。 「

    • クスッとしたい方におすすめ!短編小説「やすべえ」

      (3182文字) 東西線、高田馬場駅。 戸山口という出口から下りのスロープを通ってT字路に出ると、真ん中の道が登り坂になっている。新宿の隣街なだけあって、その両脇に雑居ビルがぎゅうぎゅうになって建ち並び、その足元では人の熱を肌で感じさせる飲食店が僕を出迎えてくれた。 今日は、忙しくて昼ご飯も抜いたから、お腹がペコペコだ。 何にしよう。そうだ、久しぶりに東京に来たんだし、やすべえのつけ麺を勢いよく啜り上げたいなぁ。 よし、今日の夕飯は決定。 Google mapで検索する。

      • おでん 

        (5300文字) ぐぅつぐつぐつぐつ・・・ ちくわ、豆腐、はんぺん、がんも、うどん巾着、ウインナー、こんにゃく、大根、すじ肉・・・ ぐぅつぐつぐつぐつ・・・ それぞれの具材が、コンロの炎に温められた海の幸をふんだんに染み込ませた限りなく黒に近い茶色のだし汁に、小刻みにぐらぐらと揺れている。 それを静かに見ていると、大物アーティストが、大勢の観客から歓声を浴びているように思えた。 ぐぅつぐつぐつぐつ・・・ 会社の行事で、一年に一度BBQ大会がある。この二年、コロナの

        • 蚊に一言申す!!

          771文字 (読書時間 3分) ぷ〜ん。 ぷっ。 スッィー。 ・・・ ・・・ ・・・ ぷぅ〜ん。 僕の血を容赦なく吸っていく。 白と黒の全長2mmくらいのお腹の内側が血色に染まりながら、パンパンに膨れ上がる。 僕の血だ。 そして、蚊は満足げに、膨れ上がったお腹が重いのか、ふらふらになりながら、飛び立っていく。 そのまま、飛び続けることが出来ず、地を這って進む蚊もいる。 蚊は僕の血を容赦なく吸っていく。 まだ太陽が上がらない頃、僕は静かに椅子に座って、深呼吸し、心を落

          ハートの石

          ハッとした。 あれ? 川の脇のトンネル型の小さな水路から、川に降りるための階段と草の合間に水が流れ落ちる場所に、ふと視界に入った「ハート型の石」。 手に取って驚いた。 余りにもハッキリとしたハート形だったのだ。 どう考えても、いや、自分で石を削ろうとしても、うまくいかない予感がした。 あー、また、引き寄せられた。 何千、何万個ある石の中から、出会ったハート型の石。 テントを貼った場所にいる妻に、子供と川で遊んでから、渡そうと思った。 どうやって渡そうか。 ふと、そんなこと

          ハートの石

          スクリュードライバー

          木製の円弧ドアに縦型の菱形ステンドグラスから、紫色の光が僅かに溢れ出している。 青銅で模った蔓草を形とったレバーノブを捻り、ドアを引くと、物静かに来店用のベルが出迎える様に鳴る。 カランコロン 目の前は暗闇の世界が広がっていた。恐る恐る奥に進むと、 黒のカーテンらしき気配を感じる。両手で中央から広げると、真っ暗な六畳半くらいの空間に、スロットの「7」や「スイカ」、「チェリー」のマークを照らす白色系の光が見え、奥の方にはトイレらしきドアの窓から漏れる薄暗い赤色の光がぼや

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