「ピッキングを直しなさい」とは言うけれど -ピックと右手で音作りをしてみる-
ギターの上手い人にアドバイスを求めたときに「ピッキングを直しなさい」と言われることがある。しかし単にそれだけ言われてもこっちにとっちゃ何のとこやら、どこをどう直せばええんや!となってしまうワケで。
まあ向こうもコーチングのプロではないのだから仕方ない面はある。アドバイスに困ったらピッキングについて言っときゃいいだろと思ってしまうのではないか。自戒。
んでピッキングをどう直すべきか。どんなピッキングが正解なのか。「あなたにとっての『いい音』が出ればそれがあなたにとっての正解です!」などとのたまう人もいるがそれでは話が進まない。
ここで重要なのは、「どんなピッキングをすれば自分にとっての『いい音』になるのか」という話である。
これは自分でギターを持ってアンプに繋いで試行錯誤して見つけるしかない。エフェクターで音作りをするときのように、「ピッキングで音作りをする」感覚で探っていく、とでも言うのだろうか。
具体的には
1.ギターをJC-120に繋ぐ。歪んだ音だと音作りの因子が増えてややこしくなる。まずは右手だけで音を作っていく。
2.Volumeは適当に。EQも適当に。0-10-0でいい。この段階でフラットだとかドンシャリだとかカマボコだとかは探らない。アンプよりも先に「ピッキングで音作りをする」のが今回の目的なので。
3.ピッキングの強さと角度の組み合わせによる音作り
強さ: 弱・中・強
角度: 平行アングル、順アングル、逆アングル
(注)平行アングル: 弦とピックが平行になる
順アングル : 親指がブリッジ側に入る角度
逆アングル : 親指が反ってネック側に入る角度
ここまでで計3×3=9通り。これらを
コード弾き、アルペジオ、単音弾き
の3パターンで試してみる。計27パターン。多いな。頑張れ。
全部試すとそれぞれ出音が違う。「あっ俺こんな音出せるんだ」と思ったりもするのではないだろうか。
その中できっと好きな音、気持ちいい音が見つかるはず。特に普段より弱めに弾いたときに。(普段から生音で練習する人はどうしてもピッキングが強くなりがちです。そういうわけで「アンプに繋いで」を強調したというワケ)
そのうえで見つけた好きな音、気持ちいい音は決して1つだけではないのではないだろうか。これとこれとこれは好き、これとこれは好きじゃない、とか。
さらに奏法ごとのピッキングについても、アルペジオはこの弾き方、コード弾きはこの弾き方、あの曲のあのフレーズはこの弾き方……と、状況に応じて自分がベストと思えるピッキングが見つかってくる。
さらに歪み系のエフェクターを使ったりアンプを変えて歪ませてみたり、そうするとまた好きな音の出るピッキングというのが見つかってくる。途方もない作業だが、まあピッキングも奥が深いんですよということで。
要は「ピッキングを直しなさい」というのは、「ピッキングの種類を知った上で、環境や状況に応じて最適なピッキングを使えるようにしなさい」ということだったんだなあと分かる。深読みしすぎかもしれないが。
以上、右手だけで音作りをしてみようというお話でした。
しかしこういうことを書いてると自分のピッキングも見直さないとなあと気が引き締まるものですね。こんなことを書いてしまったからには人前でしょっぱいピッキングをするわけにはいかない。俺頑張れ。
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