未来のある女の子に幸を。

あれはまだファミマザよしもとというファミリーマートの一角で小さな板の上で芸人達がネタと商品の紹介をするライブがあった頃。

そのライブが昼頃にあったという事もあり、その日は早起きをして何をしようか考える為に1人で喫茶店に行った。
朝に飲むコーヒーはいつものコーヒーとはまた違ったおいしさもある。
そういった何気ない事が幸せなんだと改めて思わせてくれたりする。
そうやって小さな幸せに触れながら考えごとをしていたら20歳前後の女の子3人が近くのテーブルに座って談笑を始めた。

学校の話、友達の話、化粧の話。
会話の中身が無くたって仲の良い人と喋るその女の子達は笑顔に溢れていた。
すると1人の女の子は恋愛で悩んでいるらしく少し悲しんでいた。

女の子が可愛くになるきっかけをくれるのは恋愛。

確かに失恋は悲しいよ…

でもね、もっと女の子が可愛くなるきっかけを与えてくれるのは失恋なんだよ。

そう心で呟きながらテーブルが2個離れた席で女の子を見守っていた。
周りの女の子達も彼女を励まそうと温かい言葉を言い続けていた。
すると最初は曇り気味だった顔も、時間が経つと彼女の化粧が眩しく見えるくらい輝いた笑顔を見せてくれた。

今思うと、君が鏡の前で一生懸命塗ったそのチークはこの為にあったんだね。

へー、そんな顔も出来るんだ。

そう心の中で呟きながらテーブルが2個離れた席で僕は少し微笑んだ。
すると、彼女達は何気ない日常を形に残す為にみんなで自撮りを撮ることになった。
1人は加工アプリを探し、1人は髪や化粧を直す。
そしてみんなが納得いくまで何回も自撮りする。

これだ

女の子の1番可愛い姿は可愛くなろうとするその過程なんだ。
結果が可愛いのは当たり前で、でも1番可愛いのは自分の為に、もしくは好きな人の為に可愛いくなろうと頑張っているその結果までの過程が1番可愛いんだ。
彼女達には気付かされる事ばかりだった。
コーヒーの一杯が巡り合わせてくれたこの時間と素敵な事に気付かせてくれた彼女達にありがとうと思いながら店を出ようとしたら、肘がコップにあたり机と床が水浸しになってしまった。
やってしまったと思い、女の子達を見てみると

何こいつ、どんくさ。と言わんばかりの冷たい目でこっちを見ていた。


ブス共が

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