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コンベンツアル会ゆかりの聖人たち-第五回 チェラノのトマス(1190-1265)

聖フランシスコの伝記作者 福者チェラノのトマスの紹介

福者チェラノのトマスについて

アシジの聖フランシスコの最初の伝記作家であるトマスは、アブルッツォ州チェラノで生まれました。貴族の家系であると考えられていす。

1215年にフランシスコ会の修道士となり、1221年にはドイツへの宣教へも参加しています。1223年にはドイツでライン川分管区の責任者となりました。トマスがドイツに滞在した期間の正確な情報はありませんが、1228年から1230年にドイツからアシジへと戻っていたことは確かです。また1244年と1250年の間にもアシジにいたことが分かっています。トマスは、アブルッツォ州のタリアコッツォの近くで亡くなったと言われています。この地の聖フランシスコ教会に今でも遺体が埋葬されています。

1228年から29年にかけてトマスは、教皇グレゴリオ9世から委託を受け『聖フランシスコの生涯(第一伝記)』と呼ばれる、聖フランシスコの最初の伝記を書きました。その後1244年から47年にかけて、フランシスコ会総長イエーシのクレッセンツィオの命により『魂の憧れの記憶(第二伝記)』を書きます。この伝記は、生前のフランシスコを知る弟子たちの証言に基づいて書かれました。

また1250年頃、総長パルマのヨハネの命により、聖人の死後の死後の奇跡が主に語られる『奇跡の書』を執筆しています。 その他、アシジの聖クララの伝記や、聖フランシスコをたたえる二つの著書、『Sanctitatis nova signa』と『Fregit victor virtualis』もトマスによるものとされています。

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