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営業からAnalyticsチームに異動してみて

この記事は、freeeデータに関わる人たち Advent Calendar 2019の12日目の記事になります。

こんにちは。Analyticsチームのsekikawaです。
freeeで働いてもう4年目を迎え、Analyticsチームの中では一番古参の人間となりましたw
ただし、実は私は前職含め、新卒から営業の人間で、Analyticsチーム歴としてはまだ数ヶ月です。

<freee略歴>
会計事務所さん向け営業 → 法人事業戦略(Analytics) → 事業企画
Analytics

私の略歴自体は異色に見えるかもしれませんが、実は学生時代からこういうキャリア(営業→データアナリスト)を歩みたかったと思い描いていた事もあり、正直割と理に適っています。
今後フロント系の職種から、データ分析にまつわる仕事をしたい!あるいはそういった職種へキャリアチェンジをしたい!
このような事を考えているような人の参考に少しでもなればと思い、書いてみます。

<学生時代>

私は経営工学を専攻していましたが、その中でも統計により興味を持ち、
修論では当時、交互作用(*) を表現することに強い関心を持っていた教授の元、アンケートデータ解析→重回帰分析→特徴のある交互作用項を見出す、という可視化に没頭していました。

※交互作用:
ある特定の目的変数 (例: 売上データ) に対して、影響を与える説明変数
(例: 性別、天候)が、単なる重回帰 
・売上データ= α*性別 +  β*天候
ではなく、組み合わせ変数も組み込む
・売上データ= α*性別 +  β*天候 + γ*(性別*天候)
ことで、分析/モデルの精度もより上がり、
ある特定の組み合わせ(例えば、男性*雨) なら、単一のセグメント分け(男性 or 雨)を想定して打ち手を打つよりも、売上向上により寄与するとか、
そんな示唆につなげられます。
(参考:重回帰分析で交互作用を検討する)

重回帰分析だけでなく分散分析や共分散構造分析など、色々な統計解析のアプローチをしましたが、重回帰から有意性のある交互作用を見出すような折れ線グラフが描ける事に、教授の関心が一番高かったのを覚えています。

<なぜ最初に営業でスタートしたか?>

研究の延長線上で仕事を見つけるよりも、自分が苦手なことがどれだけできるようになるのか推し量る好奇心、現場経験もある分析マンになれば差別化できるのでは?という思いから、あえて営業の世界に飛び込んでみました。そんな自分由来の営業スタイルってなんだろう?と問答しながらも、愚直に取り組み続けた結果、

・自分は話すのは決してうまくはないが、それは営業とは関係ない。
・ロジカルさだけが営業の武器ではない。

こういった事を実感できたのは、その後の自分の人生の糧に大いになりました。
一方で、努力の積み重ねだけでは圧倒的な結果を生み出せないのも営業だな、という世界観も個人的には感じ、挫折も多く経験しました。

<データアナリストとして取り組んだこと>

freeeでも最初は紆余曲折を経て営業をしていたのですがw、入社半年後にチャンスを与えてもらい、念願だったAnalytics業務に携わることができました。ちょうどこの記事を書く3年前くらいで、年末年始にSQLの勉強を必死にやっていたのを思い出します。

異動当初は、会社としてもChurn(解約)に関する関心が非常に強くあったタイミングであり、Churnに関連する数値の可視化に努めました。
SaaS(サブスクリプションモデル)におけるfreeeの課金データ構造が思ってる以上に複雑で、Churnデータを取得する事自体にとても苦労しましたが、

・契約開始〜Churnに至るまでの継続期間に基づいた事業インパクト
・ある特定の条件下だとChurn Rateが劇的に下がる

などのインパクトを数字できちんと示せたことで、カスタマーサクセスへの投資やChurn防止に向けた施策遂行などをスピード感を持って意思決定できたのも、スタートアップの醍醐味だなと当時感じました。
(freeeではユニットエコノミクスの概念に則り、Churn Rateを始めとした各種SaaSビジネス指標はモニタリングしており、弊社CEO佐々木もTechCrunchで記事を書いています。)

またこの経験を経て、課金周りのデータ構造にとても強くなり、事業部のKPIトラックシートの作成や、finance向けにデータを出すことにも多く携わってきました。

<営業→データアナリストになってみてわかる強み>

大学時代に統計をかじっていた程度で、データ分析バリバリのキャリアではないため、特段のスキルセットを持たない中、どうやって成果を出そうかと当初は不安もありましたが、営業からデータアナリストにキャリアチェンジして気付いた強みもありました。

・ビジネスサイドのドメイン知識/プロダクト知識
上記のナレッジを身をもって理解できているので、データを扱う上でのデータの正しさ、作成したロジックの妥当性の肌感が当初からありました。数値が誤っている場合でも、どこがどう誤っていて、オペレーションとしてどうすれば良いのか?まで踏み込んでいけるので、あるべきデータの姿を見据えつつ、事業スピードの速さに追随できる分析体制を実現できました。

・コミット力
一営業として、四半期ごとに確固たるTargetをおいて、毎月最終営業日まで全力で駆け抜けるワークスタイルだったため、データアナリストとしても自分で分析アウトプットを出すと決めたものは、最後まで没頭してやりきっていました。営業出身だと、このコミット力は必然的に高いと思います。
データがあればデータアナリストとしては、ロジック作成 → 検証 → 改善 → アウトプットのPDCAサイクルを、営業サイクルと比べ比較的独力で回せます(※あくまで個人的見解です)。このPDCA回数を重ねれば重ねるほど、データアナリストとしての成長速度は比例どころか、加速度的だったなと実感しています。

<最後に>

一方で、特にスタートアップ企業では、意思決定も早いものであったりする手前、どうしても目先の施策等の数字を可視化することばかりに目がいき、データ設計の構造を見直す、旧来のロジックを見直すなどの視点が欠けたまま事業を走らせがちです。
データが取得できればいいのではなく、設計部分からきちんと踏み込み、継続的なデータ取得が当たり前にできる環境をAnalyticsチームとして実現していきたいと思います。
それがAnalyticsチームとしても推し進めている「データの民主化」にも最終的にはつながっていくので、
(※Advent Calendar 1日目の記事でマネージャーのkamataが触れております)


「集計作業を非Analyticsメンバーでもできるようにし、集計に留まらない分析業務をAnalyticsメンバーがフォーカスできるようにする」
事を目指して、引き続き推進していきたいと思います!

最後までお読みいただきありがとうございました。


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