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けんこう屋8〜人生観が浮かぶ持ち込み

けんこう屋の常連さんには持ち込みして自分の空間を創られる人達がいらっしゃいます。

60代男性Dさんは、いつも自分の好きなシャンソンのCDを持ってこられます。

来られ始めた頃は、かかっているナンバーを聴きながらコーヒーを飲まれていましたが、何度か来られ、少し話していくと、「今度聴きたいCD持ってきていいですか?」と。

その後はいつも持参。音楽から自分の空間を創られ、シャンソンの魅力を物静かに話されます。

70代男性Eさんは、学生時代に聴いていたフォークのレコードを持って来られます。Eさんも曲にまつわるエピソードを話しながらご満悦です。

もちろん皆さん、遠慮しながら周りを気にしつつリクエストをされますが。

時には勤め上げた仕事の話をされることもあります。聞きながら「へー」「うわぁ」と反応することしかできませんが、それが心地良いようです。

人はそれぞれ、趣味嗜好が違い、大切にしまっている思いがあります。しかし、たまに取り出して誰かに伝えたくなります。
誰かと、自分のペースで一緒の時間を過ごせることは、何よりの心の報酬なのかもしれません。

※けんこう屋は、筆者がこれまで関わらせていただいたカフェ、ホテル、保健福祉センター、シニアレジデンス、ヘルスコミュニティ、お話会、スポーツクラブなどの場づくりで出会った様子をまとめて描いた、コーヒーの香りがする元気なサロンです。

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