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暮らしの医療の先発、中継ぎ、抑え

現在の野球では、ピッチャーは先発、中継ぎ、抑えの分業システムで試合をつくる。
試合の状況で登板するピッチャーも変わってくる。陣容の呼吸、連携がうまくいく試合は、勝敗に関わらず見ていて心地よい。
とりわけ、中継ぎ・セットアッパーの活躍には小躍りする。

もちろん、先発完投の試合は別の喜び、感動があり、ピッチャーを尊敬するが、個人の力だけでなく複合的な要因が必要で、昔のようにはなかなか達成できない。

地域医療も連携の時代。一人ひとりの人生をチームで支える。病院と診療所の連携、在宅医、訪問看護との連携。加えて、生活全般に関わる機能回復、福祉の連携。
こちらも昔のように、家族とかかりつけ医だけで暮らしていくことは難しい。

過日、中村伸一ドクター、武田以知郎ドクターとトークライブを行なった時、”ブーメラン型”と言う話があった。
「長年診ている患者さんが診療所へ通えなくなってから訪問診療をして、その家族も僕らが診ており、一家をずーっと診ている流れの最終段階を在宅で診ている。」
 
「地域の在宅医療では、自分がかかりつけ医として診ていた人が、病院から帰ってきて再び診る”ブーメラン型”は理想的。」

暮らしに寄り添い、連携しつつ一緒に過ごしていく医療。ざっくりと野球で言えば、先発完投に近いか、或いは中継ぎから抑えなのかもしれない。
と同時に、野球同様、誰にでもできることではない。

地域特性に相応しいチームづくり、先発、中継ぎ、抑え。
個人的にはこれまで地域の保健医療福祉をしばしばサッカーに例えて考えていたが、野球型での発想も大切と感じ始めた。

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