『フェイス』をみました

【私の感想】
演劇的な面白さは感じなかった

【公演概要】
エンゲキノマド「フェイス」
脚本・演出:西森英行
出演:安西慎太郎・林田航平
配信期間:6月23日(火)19時~29日(月)23:59
公演詳細:http://g-atlas.jp/ff/

2020/06/29観劇

残念ながらこの作品は演劇的な面白さを私は見つけられなかった。
映像的なことは分からないけれど、セリフを聞いている限り、芝居の中の空間と役者が今いる空間に差異はなく、特に想像力をかきたてられる、ということはなかった。

登場人物は『二人』。『密室』で謎が説かれる、という条件は面白かったけれど、その割にストーリーが単純な上、いわゆる『オネエ』を思わせるようなキャラクターなど受けを狙ったような演出だと感じる部分があり、洗練されていない感じがした。
落ちとして登場人物の一人を死なせてしまうのはどうなんだろう。二人芝居で一人が死んでしまうということは、以後会話はできないことになる。モノローグで終わってもかまわないけれど、今までリアリズムな表現を使用してきた芝居に置いては、それは不自然だ。

また、音響の使い方も、雰囲気を作るBGM的に起用されていて、これはドラマっぽい、という印象だった。

一つだけ気になったことがあった。映像的に、また実際どのような状況で撮影されたのか分からないけれど、役者同士もリモートで撮影されたと聞いたのだけれど、とっ組合のシーンはどうなっているのか気になった。
私のイメージではお互いの身体を掴むような乱闘シーンがあったように思うのだが、どういった映像に撮ったのか気になった。

最近考えていることなのだが、今まで演劇は映画やドラマとどこが違うかと言われたら、劇場で生で上演されるかどうかだと答えていただろう。逆にいえば、その大きな違い、以外は特に演劇的ではない、という作品が多くあったのだと思う。
そういう作品ももちろんあって良い。しかし、劇場がオンラインという場に変わってもなお演劇である、といえる作品も作って行きたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?