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JAY Z 知らない問題

私は「Jay Zを知らないからってHIPHOPを好きって言っちゃいけない」とは全く思いません。

HIPHOPは知識が大事、文化だから。その意見自体は至極まっとうだと思います。ですが、どこで線を引くのでしょうか?

仮にブロンクスに生まれてHIPHOPの歴史を50年見つめてきた方が究極だとして、どこまでがセーフなのでしょうか?

おそらく皆さん「自分まではセーフ」だと言うのではないでしょうか。言い方も、理由付けも人それぞれでしょうが、突き詰めれば同じ。「自分はセーフ」という主張のバリエーション違いが出揃うだけな気がします。

結局は知識が無きゃダメという意見はマウンティングであり、既得権益を守るための詭弁ではないでしょうか。繰り返しますが「知識が大事」ではなく「知識が無きゃダメ」って意見に対して言っています。

今まで知識マウントを取れていた方々にとっては、知識なんて無くてもOKなんて風潮、面白いはずがありませんから。

三度繰り返します。HIPHOPは知識が大事、文化だから。この意見には何の異論もありません。でも「知識が無くちゃダメ」となると途端に胡散臭く感じてしまうのです。

たとえばHIPHOPの重要な価値観の一つに地元をレペゼンするというものがあります。ですが試しに「HIPHOPは知識が無くちゃダメ」と主張する方々に「あなたの地元の町の歴史や文化について、語ってみてくれ」と聞いてみたら、どうなるでしょうか。たとえば自分の町の地名の由来を知っていますか?

保険を張るようで恐縮ですが、別にそうした方々が悪とか愚かとかそんなことを言うつもりは毛頭ないのです。

これは何もHIPHOPに限った話じゃないからです。HIPHOPにだけ起きてる特別な事じゃないのです。人間の本能と言ってもいい。

人間は群れたがります。群れたら序列を付けたがります。序列が付いたら、自分の序列を守りたがります。序列を守るためのルールを作り、これが変わることを嫌がります。政治家から暴走族まで、やってることは同じです。

ダメ押しで繰り返しますが、HIPHOPは知識が大事、文化だから。これには何の異論もありません。私も自分のできる範囲で学んでいますし、知識が豊富な人達のことはリスペクトしています。

でもそれは俺が好きで学んでるだけなのです。だから、知識が無くちゃダメだなんてことは、他人様に言いたくないな…と思います。

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