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マヂラブ野田クリスタルはなぜ、「正統派」漫才師だったにも関わらず「地下芸人」モダンタイムスに憧れたのか?

2024年7月2日配信開始のYouTubeチャンネル「鬼越トマホークの喧嘩チャンネル」の動画の中で、鬼越トマホーク・坂井良多はマヂカルラブリー・野田クリスタルに次のように問いかけていた。

「野田さんって、昔から賞レースがっつり目指しつつ、なんか平場の本当にアドリブ性 というか、凄いそういう芸人をめっちゃ評価してるじゃないですか。自分がなれない芸人っていうか…それってなんでなんですか?」

この質問に対し、野田クリスタルは「俺はでも、憧れとかだけでお笑いをやってるから、本当に。我流とか、それこそ独学系が多いから。なんかその一人で全部やってるように思われるけども、もう憧れとか、妬みだけでやってるから、お笑いを」と答えていた。

ネタのクオリティの高さ、あるいは平場での強さなどに囚われず、野田は「芸人として憧れる」芸人を評価し、リスペクトしているということだろう。

野田が芸人を目指したきっかけとなる人物もまた、野田自身が「強烈な憧れ」を抱いた人物でもある。

松本人志『遺書』との出会い

実際、野田クリスタルは中学時代、松本人志の『遺書』を読んでお笑い芸人を目指している。その頃から、明るい中学生だった野田は、世界観を一変させられて内向的な少年になっていく(*1)。

「『遺書』を読んだのは、中学後半ですね。俺がだって、高校1年生の時に芸人やりだしたってことは、なにかの影響を受けてるから。…全部中3あたりに一線引きましたね、部活終わったあたりで」

「おかしくなって。人も、風貌も変わって(笑)人と、人間関係も(笑)『遺書』、凄いね。180度変わった、本当にね

まさしく、『遺書』との出会いこそが、野田の芸人人生の原点となっているということだろう。だが、これは芸人になる以前の話である。芸人になってから、野田が高校時代に「憧れ」を抱いた芸人が他にもいる。

その芸人こそが、正統派漫才師からの転換を果たす上で重要な役割を果たしている。

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