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世界遺産検定・マイスター試験〜準備編2

試験のスタイル、勉強の仕方、流れを大まかに決めたところで、実際に世界遺産検定のマイスター試験についての情報集め、分析、予想を始めました。

まず、今入手し得る全ての過去問題を集めました。
世界遺産検定の公式サイトでは、過去2年分までダウンロードすることができますが、アドレスを少しいじると世界遺産アカデミーのサーバに残っているさらに以前の過去問題までダウンロードできました。今回は結局2015年夏までの回。つまり、過去12回分の過去問題を入手。これを問1、問2、問3とそれぞれの問題を「分析」しました。

文字にするのもちょっと面倒なので(スイマセン)、自分が書いたノートを画像で出しておきますが、こんな風に過去の問題を洗い出しました。これをすることで、今回どういう問題が出るのか予測が立てられるからです。

マイスターのために世界遺産の用語をたくさん集めて覚えることも大切ですが、私には時間がないのです。しかも10代、20代の人たちに比べると暗記能力が絶対に落ちている。となれば、ローラー作戦などやっている場合ではないのです。

実際、90個ほど世界遺産用語を一覧にしてみたのですが、この言葉はどう考えても出てきそうにないと思えるものはどんどんカットし、20個ほどに削減しました。ここで言えることは、これまでの過去出題の流れを完全に断ち切って、いきなり「まさか」の用語を出された場合は、もう落とす覚悟です。それはしょうがないこと。全く答えられない可能性もあるし、数文字書けるかもしれない。それでも0.5点でもとれたらマシですよね。(白紙よりは良いという意味です)

具体的に、最後まで残した言葉をリストアップしますね。
これらの言葉の模範解答を作っていました。
模範解答は、講評に「約50文字」とあったので、52文字以下にしました。「約」ですから。

世界遺産条約履行のための作業指針
世界遺産基金
ICOMOS
IUCN
緊急的登録推薦
登録基準(vi)
登録基準(viii)
登録基準(x)
真正性
完全性
文化的景観
グローバル・ストラテジー
シリアル・ノミネーション・サイト
トランスバウンダリー・サイト
MAB計画/人間と生物圏計画
アテネ憲章
ヴェネツィア憲章
リアクティヴ・モニタリング
産業遺産

これだけを、特に最後の3日間は常に見てました。

まず、マイスター試験を分析してみると、やはり世界遺産の考え方の中で大切な事は毎年、あるいは1試験おきに出ていると思いました。そこで、世界遺産基金と文化的景観は是が非でも覚えなければ、と思いました。反対に、文化的景観の3つの項目については完全に削除しました。

登録基準については、夏のマイスター試験で出題されていなかったのが昨年出ていたため、リストにしてみると、2015年以降、iからxのうち、vi、viii、xの3つは一度も出ておらず、あとの登録基準は1回出ているのです。ですから、今年の試験で同じ基準を出題してくるとは思えなかったんです。ある種の賭けですが、この3種類以外は全て記憶から消しました。

前述した、世界遺産の理念で外せない、真正性、完全性、2憲章はほぼ同じような文章。諮問機関は、過去にICCROMが何回かでていましたし、今回は出ないと考え、奄美と縄文のニュースでICOMOSが5月に何回も登場していたので、ICOMOS。そして奄美のことを踏まえるとIUCNも対象にしました。(結局この2つは出ませんでしたが)

シリアルとトランスバウンダリー、グローバルストラテジーも、知ってないとやばい言葉ですから、さすがにこれらは無条件にリストに入れました。無条件に……と書きましたが、今後の世界遺産の登録の主流になりそうですもんね。

これまであまり出てこなかった産業遺産は、「産業遺産」の定義だけ覚えて、ニジニータについてはそれらしく書いたら良いだけなのでリストから外しました。

=問2=
問2については、世界遺産条約の説明文な訳ですが、これはもう2015年以降に出たあらゆる言葉を入れて定型文を作ってしまおうということで、さすがに全ては入りませんでしたが、世界遺産大事典上巻の世界遺産条約の目的という章の言葉を色々つなぎ合わせて、危機遺産以外の言葉は全て入れることができました。

例えば「教育・広報」は毎年確実に出ているのですが、「教育事業計画」というのはそれにつなげられますよね。ですから何かしら教育や広報についての文章を作っておく。

世界遺産基金とか顕著な普遍的価値という言葉は、テキストにすでに出ている文章から入れてしまえばいいので、それもちょっとつぎはぎ。

しかし、とにかく試験に通らないことには話にならないので、得点を少しでも取るために(これは長谷川さんのブログでも書かれていましたね)多少不自然でもきっちりと作ってみました。

ところが、問題が発生しました。
試験当日、この問2の文章が思い出せないのです。問1は全部狙っていたのですぐ終わったのですが、問2。全然思い出せないのです。とりあえず下書きの紙に、どういう構成で書くかだけさらっと書いたのですが、マス目を埋めていく文章が思い出せない。自分で作るにも、「頭が真っ白」なときってそれさえできませんよね。

滞っているわけにはいかないので、断片的に覚えている語句だけなんとかつなぎ合わせて、全体の95パーセントは埋めました。文体としてもそんなに不自然ではないと思うのですが、問2については点数が低めに出ると確信しましたね。やっぱり暗記不足だったと言わざるを得ません。

あとは、論述試験の受け方というようなサイトを見ていたのですが、わざわざ難しい言葉を使う必要はなく、相手にわかれば、よほど年齢に合わないボキャブラリーを使うのは抵抗がありますが、難しい言葉を使って体裁良くしても、意味がわからなくなったり、他に影響が出てしまっては元も子もありませんよね。

「傑出」とか「顕著な」とか、とにかく聞き慣れない、使い慣れていない言葉が多いので、これはある程度かみ砕いて書いていいのではないかと思います。これは、もし次回マイスターを「再挑戦」となったら実践します。

「問1と問2はなんとなく似ている、説明文が少し長くなるだけ」的な感じですが、論述でいえば、問2と問3も似たようなもののんきがします。私は問3については全く対策をせず、過去にどういう問題が出たかだけを分析して、いきなり臨みました。でもそれで良かったと思ってます。採点してくれる人もいないし、そうでないとすれば世界遺産云々よりも論述がちゃんと書けるかどうかということしか、周りにお願いできませんよね。ですから、問3はもう対策ナシ。

しかし、問3で大事だと思ったことは、どういう聞き方をされようと、保護保全という問題と、教育広報という言葉は絶対に使うだろうと思ったので、どんな遺跡がどういう例で出されようと、こういう風に答えようかなぁと頭では思っていました。

ですから、(本当は奄美が出ると持っていたので外れましたが)問3については、世界遺産条約とはどういうもので、そして北海道と北東北の縄文遺跡群はどういうもので、あとは問題文にあったように地中にあって見えない遺跡はどうすればいいのかという事について、自分の考えを書くという作業になりました。

地中にあって見られないとか、実際目にできない世界遺産って多いですよね。先史時代だけでなくても。金閣寺の中って見られませんよね。東寺の五重塔も中に入れませんよね。そういう観点で書けばいいのではないかと思って解答しました。

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今年は2年分の遺産が登録されると言うことで、奄美と縄文、個人的には奄美や自然遺産が多めに出るのでは……と予想していたところ、実際には縄文遺跡がでましたね。これは完全に外れました。ただ、救われたのは、縄文遺跡群には行ってたのです。実際に。

ですから、どこにどういう遺跡があるのか、自分で運転していきましたから知っていましたし、直前に研究員の宮澤光さんのお話やファースト・マイスターの片岡さんのマイスターニュースから引っ張って目にしていたので、事なきを得ました。

どなたかが書かれていた過去に出た問題(問3)で、「ピュー族の古代都市」などと出ていたら、その場で私は撃沈していたでしょう。

こんな感じで勉強をしたのですが、とにかく今は発表を待つのみ。
通らなかったら、12月も受けようと思って貯金します。