新型コロナはインフルみたく「市民権」を得られるのか?
「新型コロナ」についてということでかなり気は重たいが、しっかり気を持って執筆することにする。
コロナ騒動の沈静化というと、もちろん新規患者が一人も出なくなった時には「終息」ということになるのだろうが、もうここまで世界中に感染拡大してしまうと現実的に考えて難しい。
ではいつまで経ってもその終息は訪れないかと言えば、それは流石に無い。
どこかで必ず終息は訪れる。
その根拠は何かと言うと、インフルエンザが毎年3,000人〜10,000人の死者を出してるにもかかわらず、僕たちはここまで大ごとになるほどの自粛をやったことは一度も無いからだ。
今一度、冷静になって考えてみよう。
今日(2020年3月29日)までの日本の新型コロナの死者数が約50名、日本で新型コロナの初の感染者が確認されたのが1月半ばであるから、2ヶ月余りで死者が50名ということになる。
この間、インフルエンザでの死者はどれくらいかと言えば、毎年のデータから推測して少なく見積もっても1,000人は超えているだろう。
単純に考えてインフルの死者数が新型コロナよりも20倍多い。
もちろん新型コロナはコロナウイルスの新型であるわけだから単純比較は難しいのだけれでも、逆に考えると2ヶ月で1,000人以上の死者数を出すインフルはほとんど報道されることなく、その20分の1の死者数である新型コロナの報道ばかりがこれほどされるというのは、はっきり言うとどうかしているレベルだ。
最初のうちはテレビ等でもインフルと比較して新型コロナを報じるニュース番組やワイドショーもちらほらあったが、このところはそんな余裕は全くもって無いという様子である。
スペインやイタリアの死者数が増加すればするほど、その情報ばかりが過剰に報道され、日本もそのうちすぐにそういった状況になると不安を煽る。
ただ意外かもしれないが、今日時点での新型コロナの世界での死者数は約27,000人で、実はこれは毎年のインフルエンザの死者数の20分の1にも達していない。世界でのインフルエンザの総死者数は多い年で実に65万人を超えているのだ。
そんな猛威をふるうインフルエンザにもかかわらず、僕たちは冬になると一定の警戒はするものの、だからと言ってイベントの大規模自粛などを行ったことはほとんどない。せいぜい1週間ほどの学級閉鎖や学年閉鎖レベルだ。
そしてこれもまた不思議なのが、インフルによる学級閉鎖が行われる時は40人学級で8人以上の感染者が出た時なのだが、それを「集団感染」とは呼ばないことだ。
どう考えてもそれは「集団感染」で間違いないのに「まあインフルはこんなもんだから」という僕たちの共通認識があるからなのか、本当は広く「集団感染」が起こっているにもかかわらず、インフルの場合はこのパワーワードが使われない。
こういったことを「社会的受容」という。
つまりインフルエンザウイルスは僕ちたと共生するいわば「市民権」を得ているということだ。既にインフルは「市民権」を持ち、長い間僕たちと共生している。
新型コロナウイルスがそんな風に「市民権」を持つのはいつになるのだろうか。
そして新規患者数を0にするのがほぼ不可能である以上、新型コロナが「市民権」を得た時に初めてこのコロナ騒動は「終息」に向かうのだ。
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