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胡散臭いのに聞いてしまうのはなぜだ?②

話し方の学校はベーシックコース、アドバンスコースに分かれています。

ベーシックコースでは、前回の投稿の最後で少しだけ触れていますが。
話し方は教えてくれません。はい。
第一講で話しの聴き方をきちんと教わります。

それを「宿題」を通して学んでいきます。
学校。本当にまさに学校。THE学校。

聴き力と、学長鴨さんの愛のある強制力(実際にやりなさい、と言うのは授業最後の時だけなんだけど。刺さる。)のもと、ひたすら毎日宿題を積み重ねるんです。
笑顔の自分の写真を毎日撮る。言葉はプレゼントと思って毎日誰かをほめる。感情を豊かにするために、誰かの名前を呼ぶ時に『♪』をつけて毎日声に感情を乗せてみる。

ぼくたちのクラスは、コロナ感染拡大の時期にちょうどクラスが開校したということもあったので、全部で6回ある講義の2講目のタイミングで会場での講義開催がストップしてしまいました。次の授業までの間に2ヶ月、【間】が空いたのです。

これって。ものすごく。ぼくにはラッキーなことでした。

意識して宿題に取り組める時間が2ヶ月伸びたんです。
おかげで今の苦しい状況ではありましたが、仲間の笑顔や仲間が誰かをほめることに挑戦する姿に心をずいぶん支えてもらいました。ありがたいことです。

授業の4回目。

話し方の型を教えてもらいました。
きちんと話し方の学校でした。

教わったのは3つの型。

聴き手にわかりやすく話をプレゼントする
・3点タイプ。

聴き手に何かをオススメしたり、行動変容をプレゼントする
・問題解決タイプ。

聴き手に共感や感動を起こし、意識変容をプレゼントする
・エピソードタイプ。

ぼくがここで、話しを伝える、ではなく、プレゼントする。と書かせてもらっているのは、言葉はもらって嬉しい、渡せて嬉しいプレゼントだ、という鴨さんの授業中の言葉が心に【パッケージ】として刻み込まれているからです。

この3つの型も細かく構造化されているんですが。この型を教わった時に
だから。鴨さんの話は「聞いてしまうんだ」とワークを通して納得しました。

好き勝手喋ってるんじゃないんです、
講演家って。
プレゼントになる話し方には【型】があるのだと気づいた瞬間でした。

その気づきを決定打にした、鴨Tube(鴨頭嘉人のYouTubeチャンネル内の動画の総称)の動画をご紹介します。

2020/5/19投稿
ビジネスで成功する秘訣を徹底議論【鴨頭嘉人 × オンデーズ田中修治】89分完全保存版

https://youtu.be/DK9M0OxGxmI

ファッション性の高いメガネやサングラスの販売を全国のみならず、海外へも進出している株式会社オンデーズの田中修治社長と鴨さんの対談動画です。

ここでもラッキーなことに、ぼくが話し方の【型】を教わった後に
この動画に『目次』を目次制作を協力してもらえる人はいないかというプロジェクトが発足したのです。

勉強のチャンスがきた。
迷わず飛び込んだのですが、
この動画、スピーチではなく、対談動画だったのです。1時間30分の長さの動画。

しかし【型】を意識して分解すればするほど。

これは対談動画、ではなく、スピーチ。
問題解決しようとする話も出てくれば、状況と出来事、そして気づきに至る
エピソードタイプの話まで出てきたのです。

もちろん話している相手がいます。オンデーズ田中社長との綿密な打ち合わせをしているとは思えない状況の中。鴨さんは対談の中でスピーチを組み立てているのです。

その時に、ぼくが【型】を意識して作った目次の草案はこちらです。

00:00 田中社長と『破天荒フェニックス』
02:28 田中社長が鴨頭を知ったきっかけ
04:02 田中社長と鴨頭の共通点
05:26 『大きな嘘の木下で』
06:31 成功体験って興味ないんです
09:45 学ぶべきは人の失敗
12:16 田中社長のモチベーションアップ術
15:20 イキイキ働く人は”納得”している
18:11 ”絶対にやらないこと”と”逃げないこと”
19:56 給料の議論から逃げるな
21:31 社歴が長くて給料が高い理由
23:12 給与を”納得”させる
26:00 田中社長の嫌いなこと
27:35 管理職の決め方は”選挙”
28:20 ”選挙”の効果と方法
29:02 やる気は教えられない
31:26 自信がついたらやります、はやらない
33:12 区切りとルールで得られる価値
35:59 田中社長の”選挙”の考え方
37:00 「嫌ならやめちまえ」となぜ言えないか
40:10 肝心要の”譲っちゃいけない所”
42:24 譲らないラインは波動になる
45:30 銀行への感謝
48:52 沖縄への感謝
53:26 採用方法とスローガン
56:47 『破天荒フェニックス』が生まれた理由
1:00:39 インフルエンサー採用から学んでほしいこと
1:03:32 SNSのビジネス場での特徴
1:05:10 ”仕事”を”遊び”に変えたやつが勝ち
1:06:14 仕事の境界線と嘘
1:08:25 「オンデーズ」をゲームにする
1:19:25 ”僕”がいなくてもやる気が出る仕組み
1:20:30 鴨頭の考える、輝けるステージ
1:22:55 固定概念は”嘘”
1:25:56 誰よりもリーダーは楽しめ!

冒頭のオンデーズ田中社長をわかりやすく説明するために使われているのは
そう【3点タイプ】の型です。
『田中社長』の、著書・知り合ったきっかけ・共通点の『3点』でまとめ、鴨さんが田中社長を紹介をしていきます。

次に鴨さんが田中社長に『大きな嘘の木の下で』の紹介を促したところから
【エピソードタイプ】の型が登場します。
本を出版した『状況』から、失敗を繰り返す人の『出来事』、そして学ぶべきは人の失敗であるという『気づき』という話しを二人が共感の言葉を交わしながら進めていきます。

さらに鴨さんは社員のモチベーションアップさせるためにどんな施策を行ったのかの『問題』を田中社長に提起します。
ここから【問題解決タイプ】で話が展開するのです。
田中社長は『解決法』は、社員に納得して働いてもらうことがイキイキ働いてもらえる、と示します。その『根拠』として、納得してもらうために実際に株式会社オンデーズでは密室人事をせず役員を含め全ての社員の給与の詳細を説明をできるようにして納得してもらうようにしているという社内での経験を話します。
さらにその詳細を伝え評価を社員が納得して働く姿に変わっていく『未来』を想像させます。そして給与を納得させる議論から逃げるなと『行動』つまり『解決法』の話を再提示するのです。

3点、エピソード、問題解決、などの【型】からブレずに、いくつも展開していくこの1時間30分の動画の因数分解に、ぼくは震えました。

特に鴨さんの質問力が高い。相手がビジネスモデルの行動の中で面白い仕組みを持っている時には『問題』を投げかける。なぜそこで相手の心に変化が起こったのかを聴きたいときは変化のきっかけであろうと仮説を立てた上で『状況』と『出来事』を聞き出そうとしている。

そうなんです。鴨さんって、感情の動きや共感+問題の解決と行動の波状攻撃を、対談動画であろうが意識してスピーチとして展開してしまうのです。
いや。。。ひょっとしたら、もう無意識でしてしまっているのだろうか。

鴨さんとオンデーズ田中社長の動画の目次を書き終えた夜中。
大きなキャンバスノートに書き出した目次をパソコンに打ち込む。

パソコンに打ち終えて、ハッと手が止まる。

全身の血が泡立つ感覚が指先と背中に走った。

1時間30分の鴨さんと田中社長の対談動画は

企業の問題から、解決方を失敗から学ぶという方法を提示し、そのために取り組んでいる根拠になる方法を体験を根拠として伝え、その取り組みから田中社長や鴨さんの楽しそうに働く希望のあるワクワクした未来を語り、こうしたら成功するという固定観念以外からも学べ、と結ぶ。

1時間30分動画をたっぷりと使った【問題解決タイプ】のスピーチになっている、ということに気づいてしまったのです。
パソコンの前で呆然と、書き上げた目次草稿を上下に動かして何度も眺めた日のことを今でも覚えています。話し方の学校で3つの【型】を教わったばかりの頃のことでした。

スピーチは因数分解できる。

人を巻き込んでもプレゼントになる話し方を【型】で示している講演家。
それが鴨頭嘉人。話し方の学校の学長。

しかしこれはまだ、鴨スピーチを、科学する前触れに過ぎなかったのです。

話し方の学校ベーシックコースを卒業し、アドバンスコースへ385,000円を支払って進学することで、ついに「うさんくさい」と検索されてしまう講演家のスピーチが、科学的に分析できるという境地に至ることになるのです。

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