【翻訳】eスポーツファンの性別分布

Riot Games所属の研究者であるBlautoise氏による、1月28日のツイートスレッドの翻訳です。

原文と翻訳ここから~~~

Ashley Kangさんによる素晴らしいスレッドです(ぜひフォローを!)。彼女の主張の根拠となっているデータ、特に(1)ゲームタイトル、(2)地域、(3)視聴者数に対するプレイヤー数、について見ていきましょう。
ゲームタイトルでの男女比は、男80:女20というのは改善された状況でしょう。たとえば『CS:GO』(戦略シューター)では96:4です。
ですが、(スレッドに続く)
その他のゲームではこれは問題ではありません。『オーバーウォッチ』はもっと男性比が高く(84:16)、『フォートナイト』は70:30ほどです。年齢では、『CS:GO』プレイヤーがもっとも年長で、次に『オーバーウォッチ』、その次が『フォートナイト』です。ゲーミングにおける前年比のジェンダー分析グラフは、女性が増えていく傾向にあります。
地域の違い
Quantic Foundry社のレポートによるとMOBAジャンルの女性プレイヤー率は10%ですが、世界最大規模のプレイヤー人口を誇る『王者栄耀』のプレイヤー男女比は50:50にかなり近いそうです。
また、データでは50%以上が24歳以下と、若者が多くもあるそうです。
プレイヤー人口 vs 視聴者人口
プレイヤー層については少し置いておいて、視聴者層について見ていきましょう。私が驚いたデータがあります。
「NFLの視聴者数の45%が女性」というデータです。消費額もそれを示しています。NFLによれば、過去3年間で女性向けのアパレル販売が76%まで急上昇したそうです。
フットボールのユースリーグもこの割合よりは全く遠いので(ユース~カレッジフットボールで10%よりも多かったら驚きます)、このポイントを指摘しています。
データとして、あるスポーツのプレイ人口が小さかったとしても、観戦は大いにされているのです!
以上の点から、いくつかの結論と考察を以下に書きます。
(1)ゲームやジャンルは重要ですが、シュータージャンルですら、女性プレイヤーを見かけることが多くなってきています。また、競技的なゲームをプレイする若年層の女性も増えています。
(2)最大のeスポーツ市場(中国)と、最も栄えあるeスポーツ市場(韓国)では、eスポーツに接する女性が多くなっています。
(3)女性プレイヤー層の増加で後れを取っているゲームタイトルもありますが、eスポーツとエンターテイメントは全く違う製品であり、そういった製品はもっと大きな人口を惹きつける方法でマーケティングや制作が行われている可能性があります。
最後のポイントです。なぜこれが重要なのか?
2018年頃、lululemon社はヨガパンツおよびアスレジャー分野に対し、女性向けだけでなく男性向けにも強力な販売戦略を打ち出しました。これは実ったのでしょうか? この結果、2020年までで男性向け製品の売り上げは10億ドルに達しています(売上予測も含む)。
人口統計学的に潜在的な需要にアクセスしなければ、収益を上げそこなってしまいます。「韓国や中国は異常な場所ではない」というAshley Kangさんの言葉は正しく、それらの国が先行しているのです。eスポーツ企業やブランドは、サービスが到達していなかったり無視していたりするあらゆる顧客を惹きつけるべく、努力していかねばなりません。
データに関する注記
引用したデータは全て公開されているものであり、Riotが得たデータではなく、私もRiotを代表してお話ししているわけではありません。eスポーツやフットボール、ヨガパンツの数字についてお話ししているだけです。

~~~原文と翻訳ここまで

翻訳者より
英語圏のみならず「ゲームは男性の文化」という側面は強く、特に競技的だったりコアだったりするゲームは、従来からそういった傾向が強いことが知られています。ですが「eスポーツ」「ゲーミング」といった概念の一般化にともなって、女性人口の増加が知られるようになりました。ゲーム分野において、女性が男性と平等なのかと問われると、とてもそうとは言えない現状もあります。ゲーム分野の女性を男性同様に尊重し、女性に対するアピールもしていくことで、産業としての発展の助けになるのではないかと思います。

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