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エッセイ

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記事一覧

 …あまり強い言葉を遣うなよ。強く見えるぞ。

 本屋に必ずといっていいほど、設置されている区画がある。それはビジネス書のコーナーだ。 …

瀬島春
4か月前
6

趣味・特技ですか?そうですね、迷子(人生)、ですかね

 いやぁ、まいった。いや、まいった。  これはあれだ。うん、完全にあれだ。  そうだ、あれ…

瀬島春
4か月前
4

能動的ひきこもり

 久しぶりに街の中心部のほうに出かけると、いつも思うことがある。  それは、“人、多っ!…

瀬島春
4か月前
9

 心が傷ついて疲れた日は、思いっきり泣いて、夜中に牛丼を食べて

 ふと思い立って、収納の中身を断捨離していたら、昔のノートがでてきた。ぼくは毎日ではなく…

瀬島春
4か月前
11

昨日と今日と、それから明日。

 フェリーの窓からは、それはそれは美しい水平線が見えた。窓から下を覗き込むと、ゴーという…

瀬島春
4か月前
5

あのね、

 昼の1時半。6月とは思えないほどの暑さだった。  今年は梅雨入りが遅く、雨の気配はまる…

瀬島春
4か月前
16

好き嫌い好き

この前読んだ本が個人的にあまり面白くなかった。 それは海外の小説を日本語に訳したものだったのだけれど、わかりにくくてイマイチ頭に入ってこなかった。 だけど、その本は小説として世界的に絶賛されている本だ。 たくさんの人が素晴らしいと認め、高い評価を受けている本だ。 逆のパターンもある。 自分がすごく面白いと思った小説があった。 しかし、世間的にはそれは酷評を受けていた。 そんなときに「ふーん」と思えればいいのだけれど、なかなかそうもいかない。 ぼくは、心のどこかで「自分

雨が降れば傘をさして、疲れたら雨宿りをして

雨。 じめじめするし、カビの心配が増えるし、洗濯物は外に干せなくなるし、自転車には乗れな…

瀬島春
2年前
4

自分の意見を自分で否定して。自分の心を自分で否定して。

ぼくは文章を書くのが好きだ。 ある日、思いついたことがあり、その気分のまま勢いにのって、…

瀬島春
2年前
11

ゲームの中ですら先のことばかり考えて今を楽しめない人生なんて

 ぼくはゲームが好きだ。  RPG、いわゆるロールプレイングゲームなんかは特に好きで、新しい…

瀬島春
2年前
3

だから今日もぼくはノロノロと下を向いて歩く

 散歩をしているぼくの前をスーツをビシッと着こなした男性が歩いている。年齢は30代後半くら…

瀬島春
2年前
11

誰とも話さないでも楽しめるのは才能だ

 こんなことを言われたことがあります。 「もっと外に出て、人と会って話したほうがいいよ」…

瀬島春
2年前
12

娘さんを幸せにします……たぶん……

 先日、とある映画を観ていると次のような場面があった。  主人公の男性が結婚の許可を貰い…

瀬島春
2年前
6

母の手作り弁当

 『母の手作り弁当』  この言葉を聞いて、どのような印象を受けるだろうか。  『母』を『お母さん』に変換すると、いかにも小学生の作文の題名にありそうだ。そしてその作文はきっと「お母さん、いつもありがとう」で締め括られる、感謝の文章だろう。  イメージする画は、子供のために、誰よりも早起きをして、台所で包丁を叩く母の後ろ姿か。どれだけ疲れていても、どれだけ眠たかったとしても、休むことなく、毎朝必ず。学校に行きたくないと、ごねた日も、反抗期で声を荒げてしまった日も、喧嘩した日も