見出し画像

直近の医師国家試験:放射線科と麻酔科

放射線被曝 ☆☆☆

・毎年出ています。
・有害事象の確率的か確定的か、胎児への影響、予防など。

115F21
100mGy 以上の放射線被曝が原因で胎児奇形(構造異常)が発生する可能性が高い時期はどれか。
a 受精 0~8 日
b 受精 2~8 週
c 受精 8~15 週
d 受精 15~25 週
e 受精 25 週以降

正解はbです。
・器官形成期である2〜8週の被曝は奇形のリスクです。それ以前は流産のリスクです。
・吸収線量は100mGy以上で奇形リスクです。
・目安として
胸部X線:0.3mGy
単純CT:頭部65mGy 腹部25mGy
枚数を増やしたり範囲を広げたりで異なります。

113F39
妊娠中の放射線被ばくについて正しいのはどれか。2つ選べ。
a 妊娠早期の被ばくは人工妊娠中絶の適応になる。
b 胎児の奇形発生は閾値のある確定的影響とされる。
c 放射線業務従事者には線量限度が定められている。
d 胎児の奇形発生リスクは妊娠後期の被ばくで高い。
e 出生後の精神発達遅滞の発症リスクは妊娠後期の被ばくで高い。

正解はbcです。108E14の関連問題です。
a:禁忌です。中絶は経済的理由や身体的理由、暴行を受けた場合以外ではできません。
b:発癌は確率的影響、それ以外は確定的影響です。ゆえに奇形も確定的影響で、閾線量があります。
c:男性では年間50mSv、5年間のトータルで100mSvまでです。
d:早期(器官形成期)です。
e:脳の発達する妊娠中期(10〜20週)に多いです。

ここから先は

14,486字 / 5画像

¥ 150

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?