乳癌 ☆☆☆☆
・診察⇨エコー+マンモ(X線)⇨病理の流れがよく出ます。
・診察:早期乳癌の発見は困難。しこり(硬くて辺縁不整で可動性に乏しい)、橙皮様皮膚、えくぼ徴候などが特徴的。
・マンモグラフィー:区域性の微細石灰化、spiculaが特徴的。
・エコー:乳腺内の血流の評価が可能。限局性の低エコー域を探します。
・その他画像:CTは遠隔転移の有無、MRIは癌の広がりや多発病巣の有無、血流描出などに有用です。
・病理:穿刺吸引細胞診、経皮的針生検を行います。
・検診:40歳以上で2年に1度、マンモグラフィーを行います。
≪注≫若年者では乳癌の有病率が低く、またマンモで正常乳腺が高濃度に映るため評価が困難になります。
・治療:手術可能ならば手術です。条件次第ですが乳房温存も選択肢の1つです。薬物療法としてタモキシフェン、GnRHアゴニスト(閉経前)、アロマターゼ阻害薬(閉経後)、トラスツズマブ(HER2陽性例で、心毒性注意)など様々です。
・術後にインプラント再建も可能です(cf.インプラント関連リンパ腫の報告も)
・乳房温存の条件:多発していない、広範囲じゃない、妊娠など放射線療法できない場合(乳房温存術後は放射線必須)など。
正解はcです。マンモでspicula、エコーで低エコー域を認めます。乳癌疑いです。
正解はeです。癌の由来が岩であるように、岩のように硬くて可動性低いです。
正解はeです。マンモでspiculaがあります。エコーはされていませんが乳癌疑いです。
正解はaです。mammogramでspiculaがあり、生検(biopsy)した組織(histo)で、invasive ductal carcinoma(浸潤性乳管癌)の診断です。CTや骨シンチで転移(metastasis)を認めないため、治療は手術です。
正解はbです。マンモとエコーで癌疑いのため、次は細胞診や生検です。
正解はcdです。
乳腺葉状腫瘍 ☆☆
・中高年好発。増大傾向あり。乳癌ほど増大は急ではありません。
・外科的切除を第1選択に。
正解はdです。
正解はeです。可動性良好、30年の経過からは乳癌よりも葉状腫瘍を考えます。
乳腺線維腺腫
・線維腺腫:若い女性に多い、良性腫瘍(片側)、境界明瞭で弾性硬、圧痛なし
・対応は経過観察。ただし葉状腫瘍を否定できない場合に切除することも。
正解はeです。22歳という若年者で、良性腫瘍を思わせる所見(表面平滑、可動性良好、分泌なし)から線維腺腫を考えます。
乳腺症
・エストロゲンが過剰⇨乳房が腫脹(両側)
・30代以降(閉経前)に好発します。
・乳癌のように疼痛、マンモグラフィで石灰化、(ときに血性)の乳汁分泌、境界不明瞭な硬結を認めることもあります。
・痛みにはホルモン療法が有効です。NSAIDは無効です。
乳管内乳頭腫
・中高年好発の良性腫瘍。血性分泌あり。
・血性分泌物があるも腫瘍を同定できない場合には乳管造影を行います。
・中枢型と末梢型があります。
・中枢型なら悪性化は稀のため経過観察でOKです。
正解はadです。
年齢は不明ですが、血性分泌がある場合には乳癌と乳管内乳頭腫は考える必要があります。