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直近の医師国家試験:救急と中毒

BLS ☆

・周囲の安全確認⇨意識確認⇨意識がなければ応援を呼ぶ⇨119番とAED⇨呼吸の確認⇨呼吸がない(死戦期呼吸含む)場合は胸骨圧迫⇨AED到着したら装着⇨解析とショック時以外は胸骨圧迫継続
・胸骨圧迫は胸骨中央を100〜120/分のペースで、5、6cm押します。押した後はきちんと元の深さまで戻します。
≪注≫小児では胸壁の3分の1の深さまで押します。(114C3)
・人工呼吸を行う場合は胸骨圧迫30回⇨人工呼吸2回のサイクル。

112E18
成人の心肺蘇生における胸骨圧迫について適切なのはどれか。
a 胸骨の上半分を押す。
b 100~120/分の速さで押す。
c 胸壁が 3cm 程度沈む強さで押す。
d 胸骨圧迫と人工呼吸は 30 対 1 で行う。
e 患者の下肢を挙上した体位で実施する。

正解はbです。
a:押すのは胸骨中央
c:5、6cm
d:30:2です。
e:下肢挙上は不要です(意識がない場合に下肢挙上させるのに人員が1人使われてしまう)

ショック ☆☆☆☆

・ショックにはいくつか種類がありますが、検査値の上がり下がりではなく病態から導きます。

113B7
心拍出量増加、体血管抵抗減少、中心静脈圧低下および肺動脈楔入圧低下の血行動態を示すのはどれか。
a 緊張性気胸
b 出血性ショック
c 心原性ショック
d 心タンポナーデ
e アナフィラキシーショック

正解はeです。
ad:閉塞性ショックの原因として、心タンポナーデ、肺血栓塞栓症、緊張性気胸が重要です。
気胸では胸腔内に空気が漏れて胸腔内圧↑⇨心臓に血液が帰れない(鬱滞で中心静脈圧↑)⇨心拍出量↓⇨血圧↓⇨代償で血管収縮(血管抵抗性↑)、心拍数↑です。
b:出血性ショックでは循環血漿量が減少するため心拍出量↓、中心静脈圧↓です。代償で心拍数↑、血管抵抗↑になります。
c:心原性ショックは心機能が低下するため心拍出量↓、心拍数↓です。心臓の拡張障害で中心静脈の血液は帰れないため中心静脈圧は↑です。代償で血管抵抗は↑です。
e:アナフィラキシーショックも敗血症性ショックも、全身の炎症によって血管拡張(血管抵抗性↓)、血管透過性↑が見られます。心臓は代償で心拍数↑、心拍出量↑、中心静脈圧↓です。

113C59
検査の準備中、突然息苦しさが悪化し、その後意識レベルは JCS II-10 まで低下した。心拍数 128/分、整。血圧 70/40mmHg。SpO2 は測定不能。頸静脈の怒張を認める。考えられる病態はどれか。
a 出血性ショック
b 心原性ショック
c 閉塞性ショック
d 敗血症性ショック
e アナフイラキシーショック

正解はcです。心拍数↑、頸静脈怒張ありから、閉塞性ショックを考えます。
ade:頸静脈は虚脱します。
b:心拍数は上がりません。

113F83
広範囲熱傷受傷早期のショックにおいて想定されるのはどれか。

正解はgです。循環血漿量減少性ショックの所見を選べばよいです。

112C17
ショックをきたす病態で早期から中心静脈圧が上昇するのはどれか。2つ選べ。
a 敗血症
b 緊張性気胸
c 異所性妊娠破裂
d 心タンポナーデ
e アナフィラキシー

正解はbdです。心臓へ帰れなくなるため、その手前に血流が鬱滞します。
ae:炎症のため血管拡張し、圧は低下です。
c:循環血漿量減少のため虚脱します。

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