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直近の医師国家試験:皮膚科

解剖 ☆☆

113D4
真皮メラノサイトが増生しているのはどれか。
a 太田母斑
b 表皮母斑
c 扁平母斑
d 色素性蕁麻疹
e café au lait斑

正解はaです。太田母斑や蒙古斑は真皮メラノサイトの増生です。太田母斑は三叉神経領域、蒙古斑は臀部に多いです。

☆メラノサイト
神経堤細胞由来(外胚葉由来)の細胞です。
・露光部(顔面など)や外陰部に多く、表皮基底層真皮に存在します。
・メラノソームという細胞内小器官を有し、そこでチロシンを原料にメラニンが合成されます。合成されたメラニンは隣接する基底細胞や有棘細胞に渡されます。
≪注≫メラノサイトの数は人種差なし。メラノソームの数が人種によって違う(メラニン産生能の違いが人種による肌の違いとなります)。
ドーパ染色で染まります。

参考:メラノサイトの関与する疾患
・メラニン合成に必要なチロシナーゼの欠損⇨全身性白皮症(眼皮膚白皮症)
・メラノサイトの遊走に関与するc -kitの異常⇨まだら症
・メラノサイトに対する自己抗体⇨尋常性白斑(治療はPUVAやステロイド外用)
・脈絡膜メラノサイトへの自己免疫⇨Vogtー小柳ー原田病
・老化でメラノサイトの機能低下⇨白髪、老人性白斑
・メラノサイトの機能亢進⇨雀卵斑(そばかす)、肝斑(しみ)
・メラノサイトが局所で増殖⇨太田母斑(三叉神経領域)、蒙古斑(臀部)
・メラノサイトの悪性腫瘍⇨メラノーマ(悪性黒色腫)

113F13
Langerhans 細胞にみられるのはどれか。
a Birbeck 顆粒
b デスモソーム
c メラノソーム
d トノフィラメント
e ケラトヒアリン顆粒

正解はaです。

☆Langerhans細胞
有棘層に存在する樹状細胞です。(⇨骨髄由来、抗原提示能あり)
Birbeck顆粒を有します。
CD1aS -100で染まります。
・表皮細胞間接着装置であるデスモソームを発現していないため、有棘層内を遊走できます。

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