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小さな常連さん

自宅を解放して私設図書室にする試みについてはここまでも何度か書いてきました。ゆくゆくは地域の人たちや、近くにふらっと来た人などにも立ち寄ってもらえればと思っているのですが、図書室として開放する日を決めているわけではなく、友人知人がぽつぽつと訪ねてくれているというのが現状です。

そんな、やってるんだかやってないんだかよくわからない感じなのですが、ちょくちょくと顔を出してくれているのが近所に住むKさんご家族です。

Kさんご家族には我が家の飼い犬が脱走した時に一緒に追いかけてもらったり、以前からなにかとお世話になっていました。でも、「私設図書室をやりたいと思っている」といった話をしたこともなく、Kさんからも本が好きだという話を聴いたことはありませんでした。

遊びに来てくれるようになったきっかけは、図書室がある程度形になり初めて友人(高校の同級生)を招いたときのことでした。友人のひとりが「本が好きな同級生がいるから」と連れてきてくれたのがSさん、その彼女が連れてきてくれたのがKさんでした。
(めちゃくちゃわかりにくいと思いますが)友人の友人の友人が、ご近所さんだったということです。

話を聴くとKさんはご家族で本が好きだということがわかりました。よく来てくれるのは奥さんのNさんと子どもたちですが、昨日は初めて旦那さんのHさんが来てくれました。『ぐっとくる題名』を手にとって、「ブルボン小林の本もあるんだねー」と言われるHさん。地元でブルボン小林の話ができる人がいるなんて…驚きました。

Kさん家族のなかでも、とくに図書室を活用してくれているのが長男のTくんです(小2)。ご両親いわく「静かな場所が好きでこの図書室を気に入っている」とのこと。有難いかぎりです。

月一くらいのペースで来てくれるのですが、そのたびに何冊か本を借りていってくれます。絵本だったら何冊か置いているのですが、小学校低学年から中学年の子が読むような本はあまりありません。それでも、本人はそれなりに楽しんでくれているようです。

なにかオススメとかを訊かれれれば、もちろんこちらから提案するのですが、基本的には来てくれた人に自由に読みたい本を選んでもらって、勝手に過ごしてもらうようにしています。最近はTくんも図書室に来ると、こちらの様子を気にすることなく、自分で本を探し始めます。

昨日は本を読みながら、ずっとくすくすと笑っていました。
何を読んでいるのか気になってみてみると、『団地ともお』でした。
『団地ともお』面白いよね。

1時間半くらい滞在し、『団地ともお』の10巻を借りて帰っていきました。
10巻でよかったんかな。

Tくんは「いつか自分もこういう図書室みたいな場所に住みたい」と言ってくれているようです。嬉しい反面、ご家族のことを考えると、なかなかオススメはできないなあと思ってしまう今日この頃です。

今後、この場所がどういうふうに育っていくのかはまだまだ未知数ですが、小さな常連さんにはこれからも末長く利用してもらいたいものです。

縁側で『団地ともお』を読むTくん

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