見出し画像

オンラインマジックを行う上で意識する3つのポイント

猛暑、コロナ禍の影響でリアルイベントやライブパフォーマンスが困難な状況となりました。それでもわずかな団体やイベント会社などがたゆまない営業努力で少ないイベントを作り出し、パフォーマンスの現場を作り出してはいます。それでも世間情勢が治らない限りリアルパフォーマンスがまた活気を取り戻すのは難しいでしょう。そもそも人が集められないので。

そんな中、やはりマジックの世界でもオンラインが注目されてきました。

リアルパフォーマンスができない分オンラインでのイベントや発信ができるのはいい時代。しかし、オンラインでのマジックも観覧者に見せるとしてもzoomのような会議ソフトで行う場合とイチナナやポコちゃなどライブ配信系で行う場合とではまた使い勝手が違うのでそこも注意が必要です

そこで以前ツイッターでオンラインマジックについての発見や考察を載せたら反響が幾分かあったのでこちらでも載せてみようと思います。
今後、オンラインマジックを行う際の参考になれば幸いです。

今回、条件下として
個人で、クロースアップのオンラインマジックを行うものとします。
ステージでの配信はまたちょっと変わってくるのでそちらはまた別の機会にでも。

1・映る範囲と観客のコントロール
2・web会議系とネット配信系の違い
3・ネタのチョイスについて

1・ネット画面越しの状態映る範囲のコントロール
インターネットでのzoomなどの会議アプリでもライブ配信アプリでもネットを通してのリアルタイムの実行となります。なのでネット回線の状況に影響されてしまします。声が少し聞こえなかった、映像がフリーズして途中が飛ばされてよくわからなかったとなれば・・・マジックは途中の過程も大切なものも多いのでこのような状況になれば、見られている方々のストレスは意外と高いですし、せっかくの驚きも半減します。
対面でのマジックですら、途中で伝わりにくいセリフや動きがあればそうなってしまうのでより一層注意しないといけません。
カメラワークと範囲によって印象も変わります。バストアップ系が多いと思いますが、どうしても視線固定の為、時折手元やマットを映すカメラワークの変化が欲しいところ。自分が思っている以上に手に持っているものは小さくて見えません。その上、スマホの画面ともなるとさらに小さくなるので尚の事。トランプの数字、マークなども思った以上に見えませんし、コインはもっと見えません。スペルバウンド(コインの色が変わる)なども光の反射も含めたら銀と銅の区別も見えにくいったらありゃしない。明らかな色の変化とズームは必須でしょう。範囲調整ができれば演者の出来ることも広がります。可能であればカメラ撮影役が別に1人いれば理想。一人でも画面のスイッチングを行えるならそれでもOK。パソコン上でも操作すれば可能です。しかしスイッチング機材はそれなりにするので、購入するならしっかりと今後も行っていくつもりで購入しましょう。
ちなみに配信系アプリの場合だと1画面固定なのでスイッチングはできません。

・web会議系と配信ライブ系の違い
個人的感覚で大きな違いは相手の顔が見えるかどうか。会議系は参加者の顔が見えるので表情の変化を感じ、個別のやりとりができますが、配信ライブ系はコメントでしかわからないのでほぼ一方通行となるので、不思議が伝わっているかどうかの読み取りの違いがあります。
ただ、それでも人数が増えれば増えるほど、一人当たりの画面が小さくなるので読み取るのが難しくなります。また、実際にショーとして行うときはミュートで行う人も多いのでそうなるとなおのことわかりにくくなります。
ライブ配信系は参加者の顔が一切見えず、やりとりはコメントのみとなります。会議系に比べてコメントのやり取りが積極的なので、視聴者さんに軽く質問したり驚きの反応をしてくれるのでその辺りはわかりやすいですね。
そして、生のライブに慣れている人へ注意を。キャッチボールが少なくなる分間がもたなくなり、一方的にやり続けてしまうことがあります。最初に試しにオンラインで実験した際、これは驚きました。思った以上に相手の反応がない場合にこちらから発する情報量が増えてしまうのです。通常のキャッチボールができないリズムというのは思った以上に演者にストレスと不安が押し寄せます。アイスブレイクを入れる、ゆっくり喋るなど対処しながら注意して行いましょう。

・ネタのチョイスについて
画面越しのマジックの見え方と相手が同じ空間にいるかいないか。これがあるのとないのとでは、結構差が大きい。目線誘導、声の強弱、空気のコントロールとアンテナが使えない。もちろん画面越しでもミスディレは可能っちゃ可能ではあるがカメラ範囲のコントロールは必要だろう(デビットストーンとか改めてすごいですよほんと)
最近流行の短時間で起こるビジュアルなマジックが良いでしょう。動画に強いビジュアルのマジックも少しずつ販売されてきていますね。MH君のマジックなんて魔法ですし。しかし、そう言ったマジックはびっくり箱と同じで一瞬芸が多いので時間も短く構成力が弱ければただの現象の羅列で終わってしまうので注意が必要ですね。あと、サインカードなど書いてもらう系の不思議さ度合いは減少気味。メンタルは画面越しの別空間だからこその見せ方や驚きによって効果倍増するものもあります。例えばランダム性のあるもの。ブーンライター、インビジブルデックやACAANなどはしっかり怪しさを消せば画面越しでも効果を発揮しますね。
思わぬ発見だったのがテンヨー商品です。特に初期から出ているベストセラーものとか。画面越しに強く、現象もはっきりとわかりやすい、ギミックで演者に負担が少ないし、尚且つ不思議という非常に強力なポテンシャルを発揮しております。
自身でカメラテストしたときに、改めてテンヨーの底力と凄さを認識しました。
リングイリュージョンや、ブルークリスタルとか自分でやっといて不思議でしたし、まさか、宙に浮く石とバイオイリュージョンを再びやる日が来るとは思いませんでした(笑)
また、テンヨー商品は商品紹介映像があるので画面越しの実演の参考になります。便利ですね。

さて、今回はさっと確認しやすい内容でオンラインを行う上で3つほどポイントを書かせていただきました。
もちろんこの他にも注意点はたくさんありますが、まずはできる範囲から意識する事が大切です。
マジックのポテンシャルは画面越しでも有効なものが多いです。
皆様の参考に少しでもなれば幸いです。

楽しいマジックライフを。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?