変わらないために、変わり続ける
私は、「Wevox(ウィボックス)」という事業の立ち上げ期から、現在に至るまで、約6年ほど、同事業のエンジニアとしてやってきました。
本記事では、約6年間ひとつのプロダクトの開発をし続けてきた中で、私が大事にしている考え方について書きます。
ズバリそれは「変わらないために、変わり続ける」ということです。
いきなり本題に入る前に、「新規事業立ち上げ期」と「成長期」。そして「これから」という時系列で私がそれぞれの時期でどういうことを感じてプロダクト開発を振り返りつつ、「変わらないために、変わり続ける」ということが何故大事だと思っているのかをまとめたいと思います。
新規事業立ち上げ期
何か新しいものを作る時というのは、往々にして楽しいものですし、いろんな夢を詰め込みます。
当時Wevoxは、デザイナー2人、エンジニア2人、PdM1人の計5人ほどでスタートしました。
この時は、まだ何も実態がない事業で、とにかくMVPを作って、実際にユーザーに触ってもらって価値を検証するということにフォーカスして、とにかく「モノを作る」ということに集中していました。
私自身、当時はエンジニア2年目くらいのジュニアのエンジニアで、とにかく自分の技術力をあげることだったり、誰よりも数をこなすことを意識して仕事をしていました。
この時は、「変わらないために、変わり続ける」なんてことは全く考えていません笑
自分が変われば変わるだけ、周囲の景色が変わっていく感覚がありました。
とても楽しかったです。
事業成長期
Wevoxという事業が立ち上がって数年が経ち、事業とプロダクトの成長が拮抗してくるようになりました。
その時は、「自分の成長が事業の成長に直結する」と気負って日々過ごしていました。
自分の成長に合わせて事業は成長してくれない
いつしか事業の成長速度に自分の成長が追いついていないことを痛感しました。
それまでは、自分たちが動くことで周りの景色が変わっていく感覚だったのですが、いつの間にか、自分達が立ち止まっていても、周りの景色が勝手に変わっていくような感覚になりました。
完全に後手。防戦一方。
この時は、「迫り来る変化に対応できるように、自分自身の役割や振る舞いを変え続ける。」というのを意識していた気がします。
変化していく景色に、なんとか食らいついていく日々を過ごしていたのですが、
なんかWevoxを創っているという感覚から、なんとかWevoxを回していくという感覚に陥ってしまいました。
「あれ?こういうサービスを作りたかったんだっけ?」
「今やってることが事業のビジョンに直結してる気がしない。」
「どんどんマネージメントっぽい仕事が増えていく。」
みたいな気持ちになり、初めて「30代くらいで転職したくなるエンジニアの気持ち」がわかりました。
大袈裟にいうとエンジニアとしてのキャリアの終焉を感じました。
ふと「この変化に喰らい付いていった先に、俺らが思い描く景色に辿り着けるのか?」「今までの自分のやり方の延長線上に明るい未来があるのか?」という問いも頭をよぎりました。
答えはどちらもNo。
周囲を取り巻く変化について
変化と一概にいっても、色々な種類があると思います。
私が意識している変化は以下の3つです。
(状況によっては)変わっても良いこと/変えるべきこと
(どんな状況でも)変わったらダメなこと
勝手に変わっていくこと
これらの変化が、事業・チーム・自分自身の3つのレイヤーに存在します。
以下は例です。
事業
(どんな状況でも)変わったらダメなこと
ビジョン(= プロダクトの社会的存在意義)
(状況によっては)変わっても良いこと/変えるべきこと
技術スペック
ロードマップ
プロジェクト
ブランディング
勝手に変わっていくこと
ユーザーからの要件
市場からの評価
チーム
(どんな状況でも)変わったらダメなこと
ミッションに向かって貢献していく集団としての存在意義
イシューに向き合って、互いに求め合える信頼関係
(状況によっては)変わっても良いこと/変えるべきこと
メンバー
PJの進め方
スケジュール
タスク
勝手に変わっていくこと
メンバーの人数
エンゲージメント
自分自身
(どんな状況でも)変わったらダメなこと
イシュー解決、ビジョンに近づくために自分がどう貢献できるかという問いに向き合う姿勢
チームのアウトプットに責任をもつ姿勢
(状況によっては)変わっても良いこと/変えるべきこと
職種
態度
プライドの置き所
価値観
スキル
役割
勝手に変わっていくこと
年齢
能力
周囲からの見られ方
周囲からの期待
基本的に事業も、チームも自分自身も昨日と同じ状況、状態はないと思っています。
事業は、ユーザーが増えれば、ニーズが変わります。
チームは、1人メンバーが増えれば、それはもう昨日とは全く違うチームです。
自分自身は、事業、チームが変化していけば、そこで求められる自分の役割や期待されることが変わります。
その変化に気付けずに、昨日と同じような意識で仕事をしてると、昨日までうまくいっていたことがうまくいかないなんてことは往々にしてあります。
そこで、今までの成功体験にすがりついて、何とか周囲をこれまでのやり方にフィットさせようとすると、維持どころか停滞が始まります。
だからこそ「変わらないために変わり続ける」
大半のことが変わっても問題ないこと
変わったらダメなことって、本当にごく一部でしかなくて、
大半のことが変わっても良いこと・変えるべきことだと思ってます。
と同時に、意識しないと気付けない変化もあります。(勝手に変わるもの)
変わっても良いこと・変えるべきことって、大半が自分のエゴだったり、手段だったり、テクニック的なことだったりするので、容易に変えることが出来ます。
結論、ただ自分はチームで良いモノを作りたいだけ
これまで散々抽象的なことを語ってきましたが、
結局自分が変えたくないスタンスは、「ただ自分はチームで良いモノを作りたい」ということに尽きます。
「良いモノ」の定義もその時々でどんどん変わっていきます。
その時求められている「良いモノ」とは何なのか?
今最適なモノづくりの進め方は何なのか?
難易度は高くなったり、今までよりも期待の基準も高くなっていく中で、
常に自分の在り方が試されている感覚です。
過去にすがることなく、常にコトに向かって、まずは「今の自分がどう変わっていくか・何を変えるべきか」を見極めて、行動に起こして、上手くいくこともあれば、失敗することもあります。
そういう挑戦を繰り返していくにつれて、自分が昔想像してなかった自分になっていく感じに最近ハマってますし、どんどん目の前の景色が変わっていく現状もとても刺激的で楽しいです笑
ありがたいことに、今、アトラエもWevoxもガンガン成長しています。
ぼーっとしてると自分を取り巻く周囲の景色が勝手に変わっていきます。
「自分は変化のど真ん中にいる」ということを自覚し、「チームで良いモノを作り続けるために、変わり続ける」という決意をしました。
最後に
正直な話、自分で自分を変化させていくことは比較的容易です。
なぜなら、変数が自分しかないからです。
今私は、「変わらないために変わり続けるチーム」を作りをしたいなと思い日々試行錯誤しています。
理由としては、いつか自分がアトラエを去るときや、Wevoxを去るときに、未来のメンバーが作るアトラエやWevoxに期待をしたいからです。
どんどん色んなところが進化しながら、「アトラエっぽいな」とか「よりWevoxらしくなったな」と思えたら素敵だなと思ってます笑
アトラエという組織や、アトラエのプロダクトのビジョンに共感してくださった方いましたら、必ず貴方にしか起こせない変化があります。
この答えのない旅を一緒にしてくれる方がいましたら、一緒に、まだ見ぬ景色を見ましょう!
ご応募お待ちしてます。
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