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1 はじめに

人は誰しも、自らの成長過程の中で触れ合う人や環境から多くを学び、またそれらを吸収しながら大人になっていきます。そうした「環境」は、まだ大人になりきれていない思春期の二世たちにとって、ある時には、人生の本質を学びとっていくための「良き素材」にもなれば、またある時には、一人では到底あらがうことのできない「大きな壁」として、信仰を貫こうとする彼らの前に立ちはだかることでしょう。
 友達付き合いから学校生活、さらには個々の生活習慣に至るまで、思春期の二世たちにおける課題は、彼らの人格と信仰を時にははぐくみ、時には阻む、そうした環境との格闘の中から生じてきているものなのです。
 そうした現実的課題を前に右往左往する子女たちの姿を見せつけられるたび、父母としては、「天の願いにかなった指導をしなければならない」という焦りと、何かしら理解し難い子女たちの反応に、「どう指導すればいいのだろうか」という動揺の中で、子女たちの指導に手を焼いているに違いありません。
 こうした際、父母たちの取る態度の多くは、「御言(みことば)」という印籠(いんろう)を手に、彼らの事情をないがしろにしてしまうか、あるいは、彼らの現実に翻弄(ほんろう)され、本質的視点を見失ってしまうかのどちらかではないでしょうか。
 本書は、各家庭のそうした「身近な課題」に対する二世局(当時)からの回答を、これまで思春期の子女をもつ父母の方から寄せられた質問事項を元に、「Q&A」という形で整理したものです。光言社の協力を得ながら、「氏族FAXニュース」の中で連載してきた「子女教育相談室」の内容を一冊にまとめました。もちろん、ここに記されたわずかな言葉の中に、必ずしも親子が抱える現実的課題への解決策があるとは言い切れません。しかし、これらの内容が少しでも、父母が子女の現実的課題に対して向き合っていくのを助け、また、解決の糸口を見いだしていく上での道しるべになれば、と願ってやみません。
 最後に、本書の編集、および発刊に携わってくださったすべての方々に深く感謝を申し上げます。
2004年10月21日
二世局長 松山平男(当時)

中高生子女教育Q&A

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