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誰かと一緒に何かをすることは、やっぱり、こんなにも…。

ポカリスエット web movieより

 大塚製薬のポカリスエットと言えば、スポーツをする時や体調を崩した時など、いつも私たちを水分補給の場面で助けてくれる飲み物です。多くの人にとって身近な存在だと思いますが、そのポカリスエットのCMは中高生を主人公にしてコマーシャルを制作していることが多いようです。特に最近だと、大勢でダンスをしたり踊ったりするパターンのハツラツとした印象のCMが続いていますよね。

 そして、今回のタイトルに示した「ことば」は、このポカリスエットで今年、2020年の夏に流していたCM「ポカリNEO合唱 ボクらの夏篇」の”バックストーリー”として【出演者のインタビューを基にドキュメンタリードラマとして制作】されたものです。

 観てみると、すごーく考えさせられる「ことば」で、出演した子たちの様々な想いが綴られていきます。本来ならば、”合唱編”として、最初からみんなで集まってCM撮影を行うはずだったのでしょう。それが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、CM制作の日程も中身も随分と変わったようです。
 せっかくオーディションに合格したのに、CMが無くなるかも知れないと言われ、スマホで各自撮影することになり…そして、苦肉の策で制作されたのが、春に公開された「ポカリNEO合唱篇」です。97名の中高生が各々に撮影した歌う姿を、細かい画面でつなぎ合わせて作られていました。ある意味で、リモート〇〇が行われていたあの時期の”今”らしい、印象的なCMではあったと思います。

 でも、この春から数ヶ月間の我慢を経て、夏には「ポカリNEO合唱 ボクらの夏篇」の撮影が行えたということです。その撮影を前にして、出演者の一人がこのように語ります。

もうすぐ夏が来る。でも実感がない。

春にクラス替えがあった。
本当は今頃、新しいクラスにもすっかり慣れて、新しい友達と、何か新しいことをしていたはずだ。

一人でいると、昨日も今日も、何だか似ている。たぶん、明日も。

高校2年の夏は、二度と来ない。
私は、何をするんだろう。
何かしないと、たぶん、今日と同じ明日。

だから私は、みんなと一緒に歌うことを、こんなにも、楽しみにしてたんだ。

 皆さん1年生にとっては、同じかそれ以上に大きな影響を受けている今年の特別な春。「そう、そう!」ということをズバリ核心をついて表現してくれている「ことば」だと思いました。
 入学式、オリエンテーション、遠足、仏教行事、高校総体応援…などなど、例年であれば春には次々と”みんなと一緒に”動く行事が行われていて、周りにいる友達の色々な一面を目にする機会が多くありました。”みんなと一緒に”教室から移動したり、”みんなと一緒に”出かけたり、”みんなと一緒に”見たり聞いたり泣いたり笑ったり…そういう場面が多くあることで、少しずつ一人ひとりが”みんな”を理解していったのだと思います。逆に言えば、”みんな”が自分を理解してくれるチャンスも多くありました。
 しかし、時代の動きには逆らえません。実際に私たちの学校では、多くの我慢を強いられた苦しい春を過ごし、少しずつ少しずつ工夫を凝らしながら、新しいスタイルの日常を取り戻そうとしているところですよね。

 この出演者の子も、そういう窮屈で苦しい春を過ごした当時のことを、【一人でいると、昨日も今日も、何だか似ている。たぶん、明日も。/何かしないと、たぶん、今日と同じ明日。】と言っています。
 学校生活の根本的なところを言ってくれている気がします。いくら自宅学習で効率的に勉強しても、学習した内容がしっかりと身についていても、それとは別に、学校生活を”みんなと一緒に”送ることでしか得られないものがあるのです。そして、それは皆さんに刺激を与え、影響を与え、進化させてくれるものです。
 この”バックストーリー”の最後に、今回タイトルに挙げた「ことば」が登場します。

私たちは、「またね。」と言いながら、別れるだろう。
でも、この景色は、忘れないだろう。

誰かと一緒に何かをすることは、やっぱり、こんなにも…。

 例年であれば、皆さん1年生は7月に合唱コンクールをしていました。そこでクラスの団結が深まったり、場合によってはクラスメイト同士で激しくぶつかったりする様子も見受けられるものです。でも、その行事の今年度は見送られ…という中で、やっとのことで行われたのが先月のスポーツ行事と文化祭代替行事だったわけです。

 一人ひとりが、行事を通してどんな想いを感じているかは分かりません。もしかすると、物足りなさを感じていたり、悪い思い出になってしまっていたりする人だっているかも知れませんよね。でも、よーく思い返して欲しいのです。
 今年度の皆さんは、まだまだ”みんなと一緒に”の場面が極端に少ないままです。分かっていると思っているクラスメイトのことも、実は授業中や教室の周りで見るほんの一面しか理解できていないのかも知れません。本当はもっと色々な部分があって、それを知ったらもっと仲良くできる相手かも知れませんし、それを知らないからつまらなく感じている相手なのかも知れません。とにかく【まだまだ知らない】という姿勢、お忘れなく。

ビデオ通話は楽しい。
離れていても、何だか直接会っている気がする。

でも、遠くで見かけることが、偶然すれ違うことが、大事だった人もいる。

駅までの道。君にばったり会わないかなって。
そんなこと、あるわけない。

 ここで言っている【遠くで見かけることが、偶然すれ違うことが、大事だった人】というのが、今の皆さんにはまだまだ圧倒的に少ないはずです。そういう些細なキッカケから、人間関係が広がったり新しい価値観に出会えたりするものです。

 ということで最後に、季節はずれにはなりますが、夏に公開されたそのCMを観て、勇気をもらいましょう。そして、前向きな気持ちで残りの数ヶ月間に臨み、どんどん誰かと一緒に何かをして欲しいと思います。
 高校1年の冬は、もう二度と来ませんので。

アレとコレ、コレとアレ。

 ちょっと、この先はまだまだまとまっていない部分なのですが、まさに「誰かと一緒に何かをすることは…」という話の派生で。

 先週、私が出会ったヒトやモノやコトとのつながりが、結構目まぐるしかったのですが、その結果が今回のポカリCMの記事になりました。羅列すると、結構幅広くまとまりはないのですが、こんな感じです↓。

・Mr.Children「Documentary film」(※先週紹介済)
・優里というアーティストの「ドライフラワー」という楽曲
・その優里の「ピーターパン」という楽曲のMV
・そのMVに出演していたyurinasiaという振付師、ダンサー
・そのyurinasiaさんのインタビュー
・ダンスと音楽から考える”表現”
 → 動きと「ことば」から考える”表現”

・デフサッカーを見学
・ピッチ上での身振り手振りと、選手の視界
・小さい子どもの手話
 → 「ことば」と動きを考える
・犬と子どもが戯れる
 → 「ことば」よりも動きや感情が大切?

 以上、備忘録として残しておきますが、次回に続きます。

Thank you!!