誰も見てない 気にも留めない それでも飛び続けた 傷ついた言葉乗せ 運びたいから
『ワタリドリ』([Alexandros])の「ことば」
ふと「6/22って、何の日だろう?」と検索してみたら、たまたま出てきたのがバンド[Alexandros]のVo.&Gt. 川上 洋平さんの誕生日とのことだったので、代表曲の歌詞を「今週のことば」にて紹介します。38歳になられるそうです、おめでとうございます。
さて、ここで紹介する曲『ワタリドリ』は、SUBARU「XV」という車のCMやアサヒビールのCMのほか、TV番組でもよく使われているので、聴いたことがある人は多いと思います。疾走感のあるメロディーと高音のボーカルが印象的で、テンションを上げたい時に聴く曲として、私もたまに聴いたりします。
I wanna fly so high Year, I know my wings are dried
「翼仰げば」って人は云う
その向こうにあるは無情 飛べる者 落ちる者
誰も見てない 気にも留めない それでも飛び続けた
傷ついた言葉乗せ 運びたいから
追いかけて 届くよう 僕等一心に 羽ばたいて
問いかけて 嘆いた夜 故郷は一層 輝いて
ワタリドリの様に今 旅に発つよ
ありもしないストーリーを 描いてみせるよ
『ワタリドリ』([Alexandros]、川上 洋平、2015)
1番の歌詞はこのように、失敗を恐れずに勇気をもって、夢に向かって挑戦するというイメージの内容です。そもそも、この曲のモチーフになっているのは「ワタリドリ」、つまり「渡り鳥」です。
食糧や繁殖など様々な理由で、長距離を定期的に渡り歩いて(飛んで)行き来している鳥のことで、その中には10ヶ月間も休まずに飛び続ける鳥もいるそうです。当然ながら、渡りの途中に力尽きたり敵に襲われて死んでしまうこともあります。でも、そんなリスクを負ってでも渡り鳥が長い距離を移動するのは、その先に得られるものがあるからです。食べ物が豊富だったり暖かかったりという環境が恵まれているところへ渡ったり、逆に環境が恵まれすぎていて天敵が多い危険なところを避けてヒナを安心して育てられるところへ渡ったりします。その時その時で求める条件が変わってくるから、その時のより良い環境へ渡るというのが渡り鳥なんですね。
そう、思わず渡り鳥の話題になってしまいましたが、この曲「ワタリドリ」で描かれている主人公は、今まさに別の環境へ移ろうとしている渡り鳥です。何となく今の1年生の姿とも重なる気がします。地元の地域から新しい学校への渡りを経てそろそろ落ち着こうとしている6月前半、次は新しいクラスから各々の部活動への渡りをしようとしている人も多くいることでしょう。また、もしかすると自宅から学校まで、毎日が渡り鳥のように不安な気持ちを抱えて登校している人もいるかも知れません。
けれど、ここで肝心なのは、周りがどうであろうと『自分自身で決めた方向へ飛び続けられるかどうか?』という気持ちです。「ウチの部活、厳しいよ。」という人がいたり、「えっ、そこに入るの?」と不安を煽る人がいたり、「自由に遊んでいた方が楽じゃない?」と甘く誘ってくる人がいたり…。今まさに勇気をもって飛ぼうとしている人にとって、邪魔になるような「ことば」が耳に入ることもあります。場合によっては、もっとストレートに「君には無理だからやめておきなよ!」なんて失礼なことを言われることだってあるかも知れません。
でも、大切なのは、そんな「ことば」をどう捉えるか、です。
・『そう言われちゃったから、やめとこうかなぁ…。失敗するのは怖いし。』と、言われたことを【言い訳】にする人。
・『色々言う人はいるけれど、自分でやろうと決めたんだからやる!むしろ、見返してやる!』と、言われたことさえ【糧】にする人。
皆さんは、どっちの人になりますか?
所属意識
本校の生徒になって早2か月半。もう”所属意識”はしっかりと芽生えましたか?『中学生から高校生に変わった』という自覚はあるかも知れませんが、それだけではなく学校の【看板】を背負っていることを、今一度考えてみてはいかがでしょうか。
皆さんが毎日着ている制服は、まさに【看板】です。一人ひとりの生徒が、歩く広告だとも言えるでしょう。街の中、電車の中、お店の中、…、どこでも制服を着ているだけで、それを見た人たちは『〇〇高校の生徒だ。』という前提で皆さんの姿を見ます。良い行いをしていれば『〇〇高校の生徒は立派だなぁ、ステキだなぁ。』と思われ、悪い行いをしていれば『〇〇高校の生徒はひどい、けしからん!』と思われます。そこにはもはや、皆さん一人ひとりの名前がついてくることは少なく、先に学校名が来てしまうことが多いでしょう。そういう世間の目が常にあるのは窮屈かも知れませんが、どこかに所属するということはそういうものです。
校外を歩く時の皆さんはそんな風に『〇〇高校の生徒』として学校名をつけて見られますが、いざ校内へ入った途端に今度は『1年生の生徒』とか『1年〇組の生徒』、『〇〇コースの生徒』というように、また違う【看板】を背負って歩くことになります。コースでネクタイの色が分かれていたり、学年で上靴やジャージの色が分かれているのも、そういう所属の意識を根付かせる狙いが一つあります。
自分のクラスに所属している意識、ありますか?担任の先生と共にクラスメイトみんなで作り上げていくクラスの雰囲気は、たった一人の言動で良くも悪くも簡単に変わってしまうことがあります。そんなつもりはなかったという何気ない言動が、大きな波紋を呼んでクラス全体へ影響を与えることもあります。30名前後のクラスメイトみんなに影響を与えることなんて難しそうに思えますが、ちょっとしたキッカケで影響を与えたり与えられたりすることが、これから次々とあると思います。どうせだったら、お互いに良い影響を与え合える存在を目指しましょう。
授業中の姿勢、休み時間中の様子、朝や帰りの雰囲気など、13クラスあれば13通りのものが既に出来上がってきています。担任の先生方のカラーだけではなく、クラスメイトの特徴や個性によって、クラスの雰囲気が作られ始めています。『そこに私は関係ないし!俺は何もしていない!』とは思わず、ぜひ自分自身で積極的に感じて、より良い方向へクラスを導きましょう。目立ちたがりの人だけではなく引っ込み思案の人だって、プラスの影響を及ぼせる言動は色々あるはずです。
教室に入って心細そうな人がいたら、優しく声をかけてみよう。その勇気ある小さな行動だって、クラスの雰囲気を良くしていくための大きな一歩になります。
Thank you!!