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俺はお前が怖い!…だけど、逃げない!

『仮面ライダーゼロワン』の「ことば」

 毎週日曜 9:00からテレビ朝日系列で放送している『仮面ライダーゼロワン』でつい先週(7/5)、第37話の中で主人公・飛電或人が放った一言が妙に心に響いたので、ここに紹介します。

(以下、しばらく仮面ライダーについての余談です。)
 番組についての紹介はする必要もないほどに、”仮面ライダー”って有名な番組ですね。そもそも「仮面ライダーシリーズ」は、1971年から開始された特撮もののテレビドラマシリーズとして、もう50年以上も続いているそうです。私自身が幼い頃にも『仮面ライダーRX』などを観ていた覚えがあります。特に男の子のほとんどは、乗り物系やヒーロー戦隊系にハマる時期がしばらくあるものですよね。皆さんはどうでしたか?
 さて、この「仮面ライダーシリーズ」作品の原作者は、石ノ森章太郎さんです。宮城県出身の漫画家で、今は登米市となっている登米郡石森町のご出身です(※本名は、小野寺さんだそうです)。また、石巻市にある「石ノ森萬画館」に行ったことのある人も多いのではないでしょうか。宮城県民にとっては、なじみ深い有名人物の一人だと思います。

 「仮面ライダーシリーズ」は、およそ1年ごとに新しいシリーズが公開されており、今放送されている『仮面ライダーゼロワン』は2019年の9月から始まった作品です。テーマは、新しい時代らしく【AI(人工知能)】とされていて、各話ではAIの影響を受ける様々な職業が取り上げられています。俳優・バスガイド・モデル・探偵・教師・漫画家などなど、AIが活躍する中で、ただの人工知能としてだけでなく人間のような心を持ったかのような言動を見せたりする場面もあり…、いわゆる【シンギュラリティ】と呼ばれる話も、AI時代の課題として掲げられているようです。こういう部分を見ると、単なる子ども向け番組というのではなく、時代や社会に鋭く切り込んだ作品なのだと私は思っています。

シンギュラリティ(技術的特異点)
 人工知能(AI)に自我が芽生え、人間を超越すること。人工知能自身の「自己フィードバックで改良、高度化した技術や知能」が、「人類に代わって文明の進歩の主役」になる時点のことを指す。

 話はだいぶそれましたが、その『仮面ライダーゼロワン』の中で主人公が発したセリフについての話です。

「俺はお前が怖い!…だけど、逃げない!」

 ヒーローものというのは、見ている私たちに勇気や希望を与えてくれる大切な存在です。実際に、私の息子はこのセリフを聞いて、どうやら子どもながらにもイイ「ことば」だと感じたようで、しばらく繰り返していました。『そんな風になりたいねぇ…。』とも話していたので、きっと保育園児にとってもかっこよく感じられたのでしょう。
 ヒーロー = 強い・負けない!という考えもあるのでしょうが、私は強いとか負けないことよりも、逃げないことの方がヒーローらしいと考えています。苦しんでも辛くても情けなくても、それでも必死に戦う姿勢があるからこそ、ヒーローなのだと思います。『お前との戦い、負けそうだから戦わない!』などと言われたら、誰も憧れませんよね?今回の「ことば」で紹介したセリフはまさにその通りで、相手が今の自分によりも優れていたり強かったりすることを認めていて、そこに立ち向かう自分の中にある『怖い』と感じる”弱さ”も認めている。でも、そんな”弱さ”のある自分だけれど、例え勝てなくたって相手に立ち向かう心の強さを持っているんだ!という、とてもたくましい信念を感じさせる「ことば」です。

ヒーローは誰? ヒーローから何を学ぶ?

 自分にとってのヒーローは、人それぞれいるはずだと思います。皆さんにとってのヒーローって、誰ですか?スポーツ選手・アーティスト・芸能人・アニメやマンガの登場人物・身近な先生や先輩・家族…、色々な人が当てはまりますよね。その時その時で自分の中のヒーロー像が移り変わっても良いと思いますし、いつまでも変わらずに心の中のヒーローとして君臨し続けてくれる人がいるのも良いと思います。
 その全てに当てはまるかどうかは分かりませんが、私が考えるヒーローとは、【心を奪われるほど魅力にあふれる存在で、応援しているうちにいつの間にか自分が励まされたり勇気づけられたりしているようになっている関係の相手】を指すことが多いような気がしています。最初はきっと『あの人のアレ、かっこいいなぁ!」と感じて好きになっていき、その好きな気持ちから相手の様子を追いかけるようになったり応援するようになったりします。でも、その様子を追いかけ続けて色々な姿や「ことば」を見聞きする度に、いつの間にかそれが自分のエネルギーやパワーに変わったりしていることに気づき、自分の今にとって欠かせない存在になっていく、という感じでしょうか。

 ヒーローが戦う姿を見て勇気を与えてもらったり、ヒーローが発した「ことば」を聞いて励ましてもらったりしながら、私たちは毎日を歩んでいるのだと思います。そういう意味では、上で紹介した仮面ライダーゼロワンの「ことば」も、皆さんの今にとって何かしらの励みになるものだと思って紹介しました。

・「初めてのテストが迫ってきて不安も大きいけれど、でも自分で入学するって決めたんだから将来に向けて頑張るんだ!」
・「クラスの友達関係でちょっと悩んでいるけれど、いつまでも逃げているわけにいかないから向き合ってみようかな。」
・「親とケンカしちゃって最近ギクシャクしているけれど、親も親で大変なんだから自分からちょっと話しかけてみよっかな。」

 皆さんの今に当てはまるかどうかは分かりませんが、こんな風に色々な気持ちに置き換えられるものだと思います。「怖い」とか「恥ずかしい」とか「逃げ出したい」とか、何気なく持ってしまう【弱さ】を隠す必要はありません。【弱さ】を見せた上で、「でも一歩進んでみよっかな?」と思えるかどうかが肝心です。さぁ、頑張ってみましょう。

『HERO』(Mr.Children)の「ことば」

 最後に、私が大好きなアーティスト Mr.Childrenの『HERO』(Mr.Children、桜井和寿、2002)の歌詞を紹介します。数ある曲の中でも、特に好きな曲の一つです。
 色々な捉え方がある歌詞ですが、私は何となく”親”としての歌詞に思えてしまいます。少し小さな手を握って、ちっぽけな臆病者の自分だけれど、たった一人のヒーローになりたい、というような趣旨で書かれた歌詞です。皆さんを支える保護者の皆さんも、きっとそういう気持ちでいるんじゃないかなぁと思いますし、きっと私の親もそうだったんだと思います。

ずっとヒーローでありたい ただ一人 君にとっての
ちっとも謎めいてないし 今更もう秘密はない
でもヒーローになりたい ただ一人 君にとっての
つまずいたり 転んだりするようなら
そっと手を差し伸べるよ

『HERO』(Mr.Children、桜井和寿、2002)


Thank you!!