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迷った時はね “どっちが正しいか” なんて考えちゃダメよ。

系・科目選択を前に…

 先週木曜日、来年度の系・科目選択についてのお話がありましたね。入学してから実際に授業がスタートしてわずか1ヶ月ちょっとですが、この段階で「さて、将来どうするの?」と迫られても全然イメージが湧きません…という人が多くいることと思います。
 臨時休校を挟まず通常のスケジュールであればもう少しだけ考える時間をあげられていたのですが、今後の様々な手続き上、どうしてもこの夏休み明けには系・科目選択を行わなければなりません。(※それでも、例年よりは締切をだいぶ延ばしてもらっています。)苦しいスケジュールではありますが、どうかこの2ヶ月間でじっくりと考えて、自信をもって選択をして欲しいと願っています。

 真面目な説明をすれば、系・科目選択を行うためにも、まずは将来の目標や進路先の希望がハッキリしている人はそれに向けた道筋を考えてみるのが一番です。「この職業を目指しているから、私は〇〇系にします!」というのがシンプルな選び方。また、今の時点で詳しい進路希望が決まっていない人は、今の自分自身が興味・関心を強く抱いている分野を選んでいくのも一つの方法です。「いろんな科目の中で、俺は△△や□□が得意だし好きだから、〇〇系にしようかな!」という感じです。もちろん、それもアリです。逆に、苦手分野や興味を感じない分野を消去法で消していくこともできます。「授業を受けていて△△や□□がどう頑張っても無理なんだよね…。だから、●●系や■■系は考えられないから、〇〇系にしよう!」という形ですかね。ただこれは、もしかすると何かのキッカケで今の苦手科目が得意科目に変わる可能性もあるので、充分に考えた上で進める必要があります。
 自分自身でこうやって考えていく他に、当然ですが家庭で保護者に相談したり、学校で担任の先生・科目担当の先生・部活動の先生などからアドバイスをもらったりすることも大切です。自分の中では既に答えが決まっている人も、周囲からのアドバイスは積極的にもらっておくべきだと思います。特に、今の皆さんのような【進路選択をする】という経験を一度はしてきているたくさんの大人たちは、その当時の自分がどんなキッカケで選択をして決断をしてきたのかを教えてくれることもあるはずです。案外、それが良いヒントを与えてくれたり、自分の後押しになってくれたりするものですよ。
 逆に、「人から何か言われると、ケチつけられそうで嫌なんだよね。」という人こそ、アドバイスをもらうべきだと考えます。今の時点で人に何かを言われて自信を無くすくらいだと、この先に何かの壁にぶつかった時に諦めてしまうことがあるかも知れませんので。そんな意味でも、自分の決意を固めるために、周囲の大人の力をどんどん借りてみると良いと思います。

 一つだけ、「〇〇系には■■ちゃんも行くから、私もそうしよう!」、この考え方は、絶対に避けた方が良いです。皆さんの友情を否定するつもりはありませんが、友人関係はあなたの将来を決めてはくれませんので。

『宇宙兄弟』 金子 シャロンの「ことば」

 そんな皆さんに向けて紹介するのは、マンガ『宇宙兄弟』の登場人物・金子 シャロンの「ことば」です。『宇宙兄弟』(小山 宙哉、2008、講談社)と言えば、既に映画化・アニメ化もされている有名なマンガ作品です。作品の紹介は、『宇宙兄弟』のOfficial Webサイトより引用します。

30歳を超えてから「宇宙飛行士になりたい」という壮大な夢に挑戦するムッタと、そんなムッタよりも一足先に夢を実現して月面に降り立つ弟・ヒビト。そんな2人を中心に、宇宙を目指す仲間たち、それを支える人々が織りなす濃厚な人間ドラマ。

宇宙兄弟 Official Web (https://koyamachuya.com/)

 この作品の中で、主人公の南波 六太・日々人兄弟と深く関わりをもつ重要な人物となっているのが、金子 シャロンです。いくつもの場面でズバッと核心をつくような「ことば」を届けてくれ、兄弟にとっては恩人のような存在です。今回紹介した「ことば」には、実は続きがあります。

迷った時はね “どっちが正しいか” なんて考えちゃダメよ
日が暮れちゃうわ
頭で考えなきゃいいのよ 答えはもっと下
あなたのことならあなたの胸が知ってるもんよ
“どっちが楽しいか” で決めなさい

『宇宙兄弟』 第39話 金子 シャロン(小山 宙哉、2008、講談社)

 短絡的に「楽しい方を選んで、系・科目選択をしなさーい!」と、軽々しく言っているつもりはありません。けれど、これから2年間の過ごし方を選ぶ上で、皆さん自身の心がしっかりとワクワク出来るかどうか、というのは重要なポイントです。その分野・その科目を学ぶことに対して身体がどんな風に反応するかは、皆さんの心からのメッセージの表れだとも思います。よく調べて、よく考えて、よく相談して…、そして最後はよく感じた上で、後悔のない決断をしてくださいね。

 ちなみに、シャロンさんはこんなことも言っています。

最初の動機なんてみんな大差ないわよ
好奇心だったり憧れだったり 入り口は夢見る少年少女よ
悩むなら なってから悩みなさい

『宇宙兄弟』 第19話 金子 シャロン(小山 宙哉、2008、講談社)

 『悩むなら なってから悩みなさい』、結構重たい「ことば」ですよね。入口の前であれこれ悩んで進めずにいる人にとっては、背中を押してくれる「ことば」にもなると思います。結果的には「この分野じゃなかったかな…」という答えになるのも、系・科目選択を行ったからこそ感じられる一つだと思います。それを知らずに実際にその分野へ進学・就職していたら、途中で辞めてしまうことになっていたかも知れません。でもこの段階だったら、いくらでも軌道修正が可能です。

アントニオ猪木氏の「ことば」

 上に書いたことをまとめると、つまりはコレですね。皆さんもどこかで聞いたことがありませんか?プロレスラー・アントニオ猪木さんが、引退時に言った有名な「ことば」です。

この道を行けばどうなるものか、危ぶむなかれ。
危ぶめば道はなし。踏み出せばその一足が道となる。
迷わず行けよ。行けばわかるさ。

(アントニオ猪木、1998)

 色々な人の、色々な解釈があると思います。皆さんに立ちはだかるこの分かれ道は、決して引き返せない道でも取り返しのつかない道でもありません。けれど、こうやって一つひとつの道を選んでいくから、皆さんなりの道が作り上げられていくのだとは思います。

Thank you!!