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スコーンスコーン

『西洋骨董洋菓子店』という、面白い漫画がある。タイトル通り、洋菓子店が舞台の作品で、多様なイケメンがスイーツやら女性やら男性やらを巡り諸々繰り広げるという、大抵の女性は好きなはずのまんがである。雑な説明で申し訳ないが、ぜひ漫画を読んでほしい。

さて、なぜこの漫画の話をしたかというと、この漫画に出てきたような、オシャンでスタイリッシュで、猛烈に美味しそうなパン屋を見つけた。私はスコーンが好きで、その店のスコーンは特段美味しそうであった。プレーンのスコーンを買い、ウキウキで食べようと、口に運んだ瞬間

「ママ起きて!」

と娘に起こされたのである。さあ、噛むぞ、の、ぞ。ぞ、のタイミング。ここで起こされたのだ。絶望。スコーン、嗚呼、スコーン。あのスコーンはどこに消えてしまわれたのか、、、それから三日間、スコーンのことしか考えられなかった。なにをやっても、スコーン、なにを食べてもスコーン。これは恋、恋なのだ。スコーンへの恋は、スコーンで忘れるしかない!

ということで、スコーンを焼いた。手作りより市販の美味しいのが食べたかったが、自粛中なのでやむなく手作りした。作りたかったわけではない。スコーンを患った(?)原因は娘にもあるので、娘にも手伝ってもらった。彼女は私の気持ちなぞ露知らず、ウキウキ楽しそうに混ぜ混ぜしていた。まあいい。

スコーン作りの手順は非常に簡単だ。初心者でも間違わずに焼ける。件の漫画にも出てくるのだが、雑に作る方が美味しくできる、そうだ。

我が家のスコーンは綺麗に焼けたのだが、食感がフワフワのスコーンであった。私はザクザクスコーンが食べたかった。あの夢のスコーンはザクザクだった。ザクザク。実らなかった恋の方が思い出に残る。新しい人も良いけれど、なんだか物足りない。と、アンニュイモテ女の気持ちになれたスコーン作りであった。

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