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擬似小口染めやってみた


※この記事内では、二次創作BL同人誌を取り扱っています。

はじめに


 2023年1月8日のイベント新刊をRED TRAIN様のワンブックスというプランを使用して、擬似小口染め仕様にしました。その時の設定、出来上がりの様子を記録しておきます。

原稿設定

 作成した原稿のサイズ、設定は以下の通りです。

印刷会社:ワンブックス(RED TRAIN様)

原稿設定:111×156mm
余白:上15mm、下17mm、内13mm、外14mm、とじしろ5mm
※ぬりたし3mmを含む。
枠線:幅6mm、コの字型

 wordを使用し、コの字型の画像を挿入後、PDFに変換して入稿しました。挿入する画像はメディバンペイントを使用して作成したものです。

こんな感じ

完成!

 完成したものがこちら。PCでの色味よりも濃く仕上がりました。グラデーションになるかなと思ったのですが、あんまりわからないですね……。これはわたしのミスです。
 枠はぬりたし3mm分を含めて6mm幅で作成したため、完成したものでは小口、天、地の3辺に3mmの枠がついている形になります。ぬりたし分まで色をつけておかないと、端に白が残ってしまって失敗してしまうので、ちゃんとぬりたしがあるかを確認してください! とりあえず、作りたい本のサイズよりも3mm大きく原稿サイズ・余白を設定し、枠線も完成した時に欲しい幅よりも3mm広くするようにしておけば大丈夫だと思います(印刷会社によってはぬりたしが5mmだったりと異なるケースがあるので、ワンブックス以外で作る際には要確認です)。

小口


本文
本文 見開きの様子
本文
元データはこんな感じ

 本文設定は42文字×17行、フォントサイズ8.5ptです。枠を細めにしたことと余白を広めにしたこともあって、読みにくさはあまりないかなと思います。
 疑似小口染めをしようと思っている方って、「結局枠はどのくらいの幅にしたらいいんだ?」というところで一番悩みませんか? わたしはそうでした。小口染めと違って、疑似小口染めは版面にも色が着きます。そのためあまりに幅が広いと読みにくく感じてしまう恐れがあります。また、枠が広いとその分文章を載せることのできるスペースが狭くなり、入れられる文字数が減る、文字数の割にページ数が多くなってしまう、ということに繋がります。気にならない方はいいのですが、今回の本は本文14万字越えということもあってどうにかページ数を抑えたかったので、「小口にちゃんと色が出る」「枠線が読書の邪魔をせず、でもおしゃれ感は感じる」「1ページに入る文字を多くする」という条件が成り立つギリギリのラインを探り、この設定に落ち着きました。不安だったら何回か自分で見開き1ページ分を印刷してみて読みやすさを確認→調整、を繰り返すのがいいと思います。最終的に自分が自信を持ってお出しできる設定にしておいたほうが、後々の後悔はなくなります。
 やっぱり自分の出した本で「失敗したなあ……」って思いたくないじゃないですか。もちろんその失敗から学んで次に活かすから無駄にはならないんですけど、自分が失敗だと思っているものを他の方にお手に取っていただくのも気が引けるので、できるところまではきちんと作りたいなというのがわたし個人の信条みたいなものです。

おまけ

表紙

 ワンブックスではカバー、帯が基本料金内で作成可能です! ということで今回カバーを作りました。このデザインにしたため、帯は邪魔かなと思って作りませんでした。
 とても綺麗に刷っていただきました。ガチもんの文庫本みたい!! 作らなきゃいけないデータが増えるので大変ではありますが、カバー付きだと下の表紙にも細工ができるので気に入っています。短編印刷したりとかね。 

おわりに

 以上簡単にではありますが、疑似小口染め本の紹介でした。文庫サイズが印刷可能で、本文フルカラーがモノクロと同じ値段で、小説用の薄い紙も選択できる、というとんでもないプランです、ワンブックス。文庫サイズしか出さない、紙は薄いものじゃないとやだ、小口染めしてみたい、装丁に凝りたい、でもマジの小口染めをするお金はない、というわがまま放題のわたしの希望を叶えてもらいました。本当にありがとうございます。本文フルカラーのおかげで、疑似小口染め以外にも仕掛けをすることもできました。いーっぱい遊んだな~、この本! 作りたいものそのまま実現できるってたのし~! 今回のでやり方もわかったことだし、またいつか利用させていただきたいと思います。ありがとうございました!
 
 この記事が今後疑似小口染めをしようとしている方の参考に少しでもなれば幸いです。同人誌作り、最高! みんなも好きなもの盛り盛りの本を出そう!!

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