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ブルシットジョブと希望退職増加の年:2021年の始まりに。

あけましておめでとうございます。さて、前途多難な雰囲気の新年です。そこを踏まえ、仕事のあり方を考えてみます。

東京商工リサーチの12月29日の記事ですが、
「来年2021年1月以降に早期・希望退職の実施を明らかにした上場企業は、12月29日現在ですでに18社に達したことがわかった。
 12月29日現在、翌年の早期・希望退職の募集企業が10社を超えたのは、リーマン・ショック直後の2009年1月以降(2008年末集計)の10社以来、12年ぶり。リーマン・ショック後の2008年以降で最多となった。
 2021年1月以降の早期・希望退職の募集が判明したのは、13社で計3360人。」

どうやら、労働市場に大きな変化が起こりそうな予感がします。そして、希望退社が終わった後にのこるものは、2020年2月の記事ですが、河井薫さんの記事です。

そんな不確実性が限りなく深まっている労働環境で、これからの日本を背負う30歳前後の人たち数名の意見やらを聞く機会があった。
 そこでも希望退職の話題が出て、「僕たちも使い捨てされるんですよね。今の日本の会社に何一つ期待してません」という声が、若い世代から相次いだのである。
 「うちの会社も2年前から希望退職を毎年募集していて、ターゲットも50代から40代に下がってきました。僕が入社したときはもっと上の人たちもいたんですが、今の部署のメンバーは若手だらけです。
 会社は若手育成だと言って、僕らの世代に色々と任せるんですね。結果を出せば給料は上がると人事は言うけど、結果を求められても教えてくれる人はいません。もっと40代や50代の人たちにサポートしてもらいたいのに、頼れる人がいない。なので、ホントにこれでいいのか? と不安が大きいんです」

そこで、結果として広がるであろう、そして、今も広がっているのが、「ブルシット・ジョブ」。デヴィット・クレーバーの著作です。

https://www.amazon.co.jp/ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論-デヴィッド・グレーバー/dp/4000614134/ref=sr_1_1?crid=324QCVHJ2OXTZ&dchild=1&keywords=ブルシットジョブ+クソどうでもいい仕事の理論&qid=1609555178&sprefix=ブルシット%2Caps%2C285&sr=8-1

■「ブルシット・ジョブ」とは?
◇ブルシット・ジョブの最終的な実用的定義
ブルシット・ジョブとは、被雇用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でもある有償の雇用の形態である。とはいえ、その雇用条件の一環として、本人は、そうではないと取り繕わなければならないように感じている。

◇ブルシット・ジョブの主要5類型
1. 取り巻き(flunkies):だれかを偉そうにみせたり、偉そうな気分を味わわせたりするためだけに存在している仕事
2. 脅し屋(goons):雇用主のために他人を脅したり欺いたりする要素をもち、そのことに意味が感じられない仕事
3. 尻ぬぐい(duct tapers):組織のなかの存在してはならない欠陥を取り繕うためだけに存在している仕事
4. 書類穴埋め人(box tickers):組織が実際にはやっていないことを、やっていると主張するために存在している仕事
5. タスクマスター(taskmasters):他人に仕事を割り当てるためだけに存在し、ブルシット・ジョブをつくりだす仕事

この変化がどうして起きてきたのかを、グレーバーは「産業はますますロボット化されてつつあり、真にサービス部門といえるものは、おおよそ雇用の20%にとどまっている。そうではなく、私たちの労働が強化されているのは、私たちが奇妙なアドマゾヒズム的弁証法を発明してしまったからなのだ。」新自由主義が実は新しい非資本主義的要素を産んでしまったと言えるかもです。

詳細は、1月23日土曜日の0930〜です。

(了)



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