見出し画像

政策の失敗に負けない自治体総合計画の作り方 その2 人口動態を緻密に分析する。

その2です。前回は各種社会統計の収集・分析のステップでした。その3では、その中で人口動態を抑えることの重要性を示します。人口動態の分析は、これまで以上に重要になってきたといえます。生活圏と経済圏と行政圏とのずれの発生、そして政策目標としての人口移動が登場していることに起因しています。

まず、制度として、市町村合併が昭和・平成を行われる中で、行政圏域は拡大してきました。そして、交通経路の発達と自動車等による移動が容易になったことは雇用と消費(現在では国境すら)が絶えず越境する状況を作り出しました。また、政策目標としての人口移動が、2015年以降のいわゆる地方創生戦略において示されたこともあり、それまで以上に戦略的に検討する必要性が発生しています。

では、人口動態分析のポイントを3つあげます。

(1)一つの単位としての自治体はあくまでも仮置き
 雇用・生活などの単位で一つとして取り扱うことは難しいの実態です。つまり、テーマによって分析単位を変えるべきです。学区、生活包括支援センター、公民館、旧市町村、街道、駅勢圏などの単位を柔軟に採用すべきです。ここを間違った単位で設定すると、事業の効果測定の際に、間違った結果が出ることが多いです。
(2)系年での移動をおさえること
 政策目標としての人口移動を想定した場合、年代別での移動を把握する必要があります。特に性別年代での移動数の把握は、雇用施策、福祉施策、子育て施策等に直結します。
(3)柔軟なクロス集計をトライすること
 施策の性格に合わせて、地域コミュニティなどを単位として、分布を把握することは施策・事業の精緻度を上げるために必要です。↓は川北秀人さんの仕事ですが、65歳以上独居率X高齢者率のクロス表です。

画像1

今日午前は磐田で自治連合会主催の講演会にお招きいただきました。 https://blog.canpan.info/dede/archive/1453 会場でお示ししたスライドは、上記リンク先でご覧いただけますが、その中から1枚。 2015...

Posted by 川北 秀人 on Saturday, December 19, 2020

まとめ
やはり、人口動態分析は、計画づくりの核となるものの一つです。丁寧に、緻密に行っていくべきです。イメージ的には、ここに5営業日は取りたいところです。ここのリアリティが住民・議員などとの対話を円滑にする一つになります。(了) 


ありがとうございます!