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癒しとリラックスの場を作りたくて16

「記憶は消せない。でも癒しはできる」

催眠の上級者になると、記憶を操作することができるようになるようです。つまり、自分の名前が思い出せなくなる、ある特定の数字が自分の世界から消えてしまう、といったことです。僕はまだできませんが。

これは記憶の中から名前や数字を消しているのではないそうです。記憶の機能の一つである「思い出す」働きを一時的に抑えているだけで、誘導者がパチンと暗示を解けば、また元の通りに思い出すことができます。無くなったわけではありませんから。

となると、僕がいまやっている「嫌なことを排出するセラピー」も、実際はトラウマになっている記憶そのものを消していることにはなりません。
そうです、消すことなどできません。嫌な記憶をポイッと捨てる暗示を、被験者の方に掛けているだけです。

では全く無意味かというと、そうではないと思います。被験者さんたち皆が語ってくれているように、嫌な思いをポイ捨てすることができた、そのことでスッキリした、という思いは、たとえそれが一時的なものであっても意味があると思います。囚われている負の感情から解放されたという体験は、催眠が解けた後でも、必ず本人の自己肯定につながるはずです。僕のセラピーが癒しを謳っているのは、そうした確信があるからです。

実は、たびたび甦ってくるトラウマを追い払う方法は、催眠以外にもいくつかあるんですけどね。カウンセリングの際に、それもお伝えできればなと思っています。

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