この売上で? と自分につっこみながら合同会社を作る話 その2

さて、この連載も二回目となりました。
初心者の気負いのようなものを書いてしまって気恥ずかしくはあるのですが、それも含めたスタートアップの記事として、読む方になにかを伝えることができたらと思っています。
さて、まだ温まってもいない卵ではありますが、孵化するまでのことを少しずつ述べていきたいと思います。

連載第二回
2.「まず、事業用口座を作った」


個人事業から法人化する際、まず初めにしたのは、専用の口座をつくることでした。

これまで電子書籍の売上等の収入は、全て生活資金と同じ口座に振り込んでもらっていたのですが、この際、事業での収入と支出ははっきりわけようと思いました。
理由は二つ。一つは事業専用の口座を作り、生活費とは別のお金をきちんと管理することで、事業を行うことに対する自分の意識を、きちんと持とうと思ったのです。いつまでも可処分所得から回した経費を使っていたのでは、なかなか覚悟が決まりませんからね。
もう一つは専用口座を作ることによって、それが将来の法人口座を作るときに役立つのではないかと思ったのです。いろいろ調べてみると、法人口座を作るのはなかなか難しいようです。不正防止のため銀行側の審査が厳しくなっているせいなのだとか。しかし個人事業のときからその専用口座で収支を管理する実績を作っていれば、いざ法人化する際に、金融機関の側も多少は信頼してくれるのではないかと思ったのです。法人口座でクレジットカードも作りたいですしね。

ちなみに、口座を開くのは地元の信用金庫にしました。これはどこかで読んだのですが、メインバンクにメガバンクを選んでしまうと、相手にとって自分は砂の一粒にしかなりませんが、規模の小さい信用金庫にとっては、大事な顧客なので大切にしてもらえる、という話があるのです。真偽のほどはわかりませんが、どちらにしろ地域密着で事業をやっていくつもりですし、いま住んでいる地元が大好きなので、迷わず地元でネームバリューのある、この地域ならどこにでも支店がある信用金庫を選びました。

さて、口座開設について。
いちばんのネックは「金融機関の営業時間内に窓口に行けない」ことでした。平日の昼間に仕事をしていると、これは難しいですよね。
ところが信用金庫のサイトをチェックすると、なんとスマホで口座開設ができるようなのです。必要な情報を入力して、免許証の表裏を撮影して一緒に送信すれば良いだけ。拍子抜けするくらい簡単でした。撮影用のフォーマットの枠にうまく免許証が収まるようにカメラを操作するのにちょっと手間取って、「認識できません」と何回かやり直ししたのは、まぁご愛敬ということで。
数週間後、書留で預金残高0円の総合口座通帳が届いたときは、ちょっと感慨深いものがありました。口座というものは、たとえ千円でも窓口で入金して開設するものと思っていたんですが、時代は変わりましたね。

ちなみに新規開設の際入力する項目に「目的」があったのですが、「事業のため」の項目にチェックを入れるとき、ちょっと誇らしい気になりました。
ちなみに、できれば個人事業の屋号名で口座を作りたかったんですが、それは無理なようでした。残念。

いまは収入があるたびに一定額をちょこちょこと入金し、月末にはその中からまた一定額を定期預金(担保)へ移し替えています。Amazonの自主出版をはじめ各販売サイトからの入金は全てこちらに振り替えたので、通帳を見るのが楽しみになりました。これからこの口座を育てていくつもりですが、さて、どこまで大きく育ってくれるやら。

(続く)

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