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セクシー掌編

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ツイッターに投稿した140字小説 #twnovel をまとめました。画像付きのスレッドツリーはこちら。https://twitter.com/seiryu_09/status/1… もっと読む
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記事一覧

セクシー掌編「僕の部屋着を、君が」

物音にびくりとした君を引き寄せる。大丈夫、壁が薄いだけだから。華奢な体を包むのは僕の部屋…

セクシー掌編「公衆電話ボックス」

過去の記憶が疼く町角にそれはまだあった。もう珍しくなった公衆電話ボックス。深夜にサディス…

セクシー掌編「駅前のベンチ」

駅前のベンチであの人を見つけるのが朝の日課。進学校の制服が似合う彼を車両でチラ見するだけ…

セクシー掌編「バス停の彼女」

今夜も彼女はバス停に立っている。来るバスをどれも見送り、どこか悲しげに佇んで。夜が更け僕…

セクシー掌編「閉じる前のプール」

君とはしゃいだ夏の記憶を供養しに、もうすぐ閉鎖になるプールへ来た。潜った青い水に揺らめく…

セクシー掌編「孤独なLover」

壁に押し付けられ、胸を乱暴に掴まれた。痛さよりも悪ぶる彼に悲しくなる。「この体だけは名残…

セクシー掌編「夜明けのバス停留所」

夜通し駆けたバスが停まると、君は素っ気なく体を離して身支度を始めた。すり寄ってきた昨夜とはまるで別人だ。弄りあったあの時間を遊びになんかしたくない。でも、さっさと降りた君は振り向きもせずキャリーカートを転がしていく。狭いシートが見せた甘い夢は、駅前の朝日に溶けていった。

セクシー掌編「空へ昇って」

ふわふわと浮いて塔へ昇った。空を見上げてる君を迎えに。「雲まで連れてって」って、あれ綿菓…

セクシー掌編「湖畔のボートにて」

船底に手を突いてギシリと君が体を起こす。「周りから見えるぞ」「もっと動きたいもん」。腕立…

セクシー掌編「私はここに座ってるよ」

遠く離れた街の歓楽街の地下。彼女はそこの受付嬢だった。サイトで出会った僕たちは遠隔調教プ…

セクシー掌編「紫陽花の青にまぎれて」

雨が好き。濡れながら裸で佇むのはもっと好き。そんな君を紫陽花の公園へ連れ出した。人目を避…

セクシー掌編「夜の撮影会」

レイヤーの君と来た、夜の遊園地の撮影会。きらめく大輪の観覧車の前でポーズを決める君は、実…

セクシー掌編「野外の宴を抜け出して」

すり寄ってきた肩は、腹の下にある砂よりも熱かった。「いまごろ皆探してるかな」。遠くにダラ…

セクシー掌編「自販機の灯り」

部屋から見える路地の自販機は一部で有名らしく、コートの下は全裸の女性が深夜に現れる。その夜若い女性が服を脱ぎ、自販機の灯りにしゃがんだ。ピンと来てそこへ向かった僕を、昂った顔が泣き笑いで迎えた。「やっと会えた……見てくれる人に」ブルっと震えた足元から水音が聞こえてきた。