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Flashdance スタッフインタビュー デローリングマネージャー


いよいよ本日初日の『Flashdance』の公演。今回は新役職の「デローリングマネージャー」のお2人から話を聞きました。


デローリングマネージャーとは?

親密な身体接触の際に、触られてもいい場所と触られたくない場所の境界線をお互いに確認する作業である「バウンダリープラクティス」に同伴する。
また、親密な身体接触を振付として保存・管理する。接触する場所や動き、力の強さ、カウント、パワーシフトやアイコンタクトを記録して毎回再現できているかを確認する。


インタビュー

―今まで数ヶ月デローリングマネージャとしてやってきた中で何を一番大切にしてきたかお二人から教えていただきたいです。

関谷:私の価値観で決めつけないこと。あえて分け目になるというか、自分が注意してみるべき範囲は岡田さんないしキャストから指定があった範囲のみにする。自分で勝手に「ここは性的な意味合いのある接触シーンだ」と決めない。私たちが勝手に決めることでキャストが自分ではそう思ってなくても、「人から見るとそう見えるんだ...」と傷つくことがあるかもしれないということを最初のほうに岡田さんに言われて。だから、「ここはあなたの担当の範囲だよ」って言われたところだけを担当だと思うようにして自分でその範囲を判断しないようにしていました。

秋田:関谷さんの「自分の価値観で決めない」ってことに似てるんですけど、正義の味方とか警察的な役職ではないって言うことを自分で戒めながらやっていたというか。あくまで私たちは仲介するものであって、「あなたの意見はどうですか?」っていろいろな人の意見を繋ぐ役割なのかなっていうことを意識してやっていました。

―主観と中立とのバランスが難しそうでしたよね...面接でも色々お聞きしましたがそもそもデロマネに興味を持ってくださったきっかけはなんでしたか?

関谷:応募しようとした時に19期が応募できる稽古場スタッフがこれだったから。企画の大森さんにLINEして説明を聞いて応募しました!

―リトプリ(第57弾公演『A Little Princess』)で音楽助手だった関谷さんにお世話になった時に、冷静かつ的確にまとめてくださるというのが得意な方っていうのが大森と私(原科)の共通認識だったので、デロマネにぴったりな方だ!!って思っていました。 あゆ(秋田)はめちゃくちゃ志望動機かいてくれたよね!

秋田:もともと映画とか映像のインティマシーコーディネーターに興味があって、志望動機にそのことを熱く書きました。台本読んだ時にもこれは情熱の作品だと思ったからこれは情熱的に書いた方がいいと思って。演劇界のパワハラ、セクハラにも興味があったのでデロマネの仕事の内容を聞いた時に力になれるんじゃないかなと思って。

―自分が大切にしていたことを踏まえて、
デローリングマネージャーって岡田さんが作った言葉なのもあって世界で初めての仕事だと思うんですけど、このお仕事をわかりやすく表現する一言、タイトル見たいのがあれば教えていただきたいです。

関谷:一言でいうのはな...

―じゃあデロマネを知らない人にデロマネの大切さを伝えるとしたら...?

関谷:「個人と演技を切り離す役職」

(沈黙)

―一言じゃ語り尽くせない複雑なものでしたよね。実際に稽古場の中でこれは大変だったな...っていうケースは何かありましたか?それこそバウンダリープラクティスとか

(バウンダリープラクティス:身体的接触をどう捉えるかは個人によっても文脈によって違うため、その境界=バウンダリーを確かめていくためのもの)

関谷:M15の振りを調整した方が大変だったかな。バウンダリープラクティス自体はやり方の説明は私たちだったけど、必要性とかの説明は岡田さんだったからみんなが納得してくれて、あとは手順を説明する感じだった。
M15はもっと過激がいい派と今のままでいい派と調整した方がいい派の三派いたからどこをどう尊重したら全員を尊重できるのかがわからなくて。

秋田:M15は特にデロマネの必要性を感じたと言うか。フリーアクトだと役の行動なのか役者の行動なのか分からなくなって曖昧になってしまうという危険性があって。そこに振りが付けられて、つけられた振りをやると言うことが良いのかなと思いました。

―では、この役職を経験してSeirenや今後の演劇界でこの役職が「こういう役割を果たしてほしい!」とか「もっとこうなってほしい!」とか、何か希望はありますか?

秋田:もっとこういう仕事が根付いてほしいなというのはあるし、この存在が海外ではよくある仕事だけど日本にもあるといいなと思います。

関谷:セイレンに限った話で言うと、恋愛描写がある作品には全部設けてもいいのかなと思います。基本的に今までの作品ってひと組はカップルがいる演目が多かったから。
業務量とかを考えると難しい部分もあるのかと思いますが、「稽古場の安全を担保する」という意味で設置するといいんじゃないかなと思います。

―ありがとうございました。
デローリングマネージャーのお二人は本番にも立ち会っていただき、舞台上で起こる動きを観察していただきます!!
千秋楽まで今後ともよろしくお願いいたします!


いよいよ本日初日です!カンパニーメンバー全員で熱くエネルギー溢れる作品を皆様にお届けできたらと思います!🔥🔥
どうぞ劇場まで足をお運びください!!🏃‪💨

(文責:岡田実思)

あらすじ

挫折を飛び越え夢に向かう青春ストーリー

昼は溶接所で鉄工として働き、夜はナイトクラブで
ダンサーとして踊るアレックス。

プロのダンサーになる夢を諦めきれないが
挑戦への壁は高く、
挑戦を越えた先の道筋にも多くの挫折と困難が...。

恋人や親友・仲間との出会いと別れが
アレックスの失敗への恐怖心を動かす。

果たしてアレックスは追い求める居場所を
手に入れることはできるのか。

公演情報

<スケジュール>
2024年8月20日(火)〜8月25日(日)

<会場>
大塚萬劇場

<演出>
岡田匡平

<企画>
大森まな・原科芽衣・松本望未

<製作>
Seiren Musical Project

チケットに関して

※一部完売回もございます。詳細はセイレン公式Instagram等をご確認ください。

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