ありがとう

あなたは覚えていますか?



手を振ったあの日
ふと気が付けばあなたは傍にいなかった

お母さんの居ない毎日
これが当たり前だった

弱く見られないように
強がっていたの
嫌われ、残る食材の気分

わたしを置いてどこへ行ったの
あなたには届かない
今のわたしはどう映っていますか

いつまでもお母さんの子でいさせて


10歳でかぞくが増えたある日
気づけばお姉ちゃんになっていた

我慢の毎日
これがふつうだった

自分が傷つかないように
変身していたたの
静かな暗闇でぽつんと一粒

わたしを置いてどこへ行ったの
あなたには届かない
今のわたしはどう映っていますか

いつまでもお母さんの子でいさせて。


名前を呼んで
もういちど傍に来て

わたしを置いてどこへ行ったの
あなたに伝えたい
「産んでくれてありがとう」と。


神様
どうかこの想いが届く日が来ますように。

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