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『自堕落静養日記。九月十一日』

するりと抜けてゆく
私のこわばった手から
小銭やらなんやらが
がらんがらん
するりと抜けてゆく
散らばった小銭が拾えない
カードも拾えない
指と床の接地感が、あまい
あせれば、指先がじんじんする
ふう、これが副作用
ふうん、夏でこのざまか
二週間前の点滴で、これだ
いったい、ま冬の私はどうなるんだい
するりと抜けてゆくのは銭だけかい
すうはあ、一息つこう
すうはあ、ゆっくり拾おう
思えば、歩きながら財布をいじる私が大胆不敵なのだ
だからするりと抜けてゆく
忘れてはいけない
私は自堕落静養人間なのだ
こわばった手を承認しよう
いついかなるときもこわばった手をかわいがろう
これも私だ







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