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W-B とある清掃員の日記/22

「自殺した...?一体誰が?」
僕の頭の中は混乱していた。

「山田先輩って言う僕の工学部の先輩が一週間前にキャンパスの屋上から飛び降りて......。」
しかしアカバは泣きもせず、黙々と話を続けた。

「その.....。何で自殺したのか分かるのか?」

「闇バイトに手を出したとか何とか。」

闇バイト。
今都市圏で頻発している
自分の手を汚さずに物を盗み、人を殺す卑怯な犯罪“

「何を闇バイトでやったんだ?」

「分からないな...。だけどもう一つ理由はあると思う。」

「それは?」

「先輩の就職先が仙桜重工業の兵器部門になる予定だったらしい。」

仙桜重工業。
この国家初の海外輸出用の兵器を作っている会社だ。噂では西側の水爆の開発時にも技術者を何名か派遣していたらしい。

「その兵器部門って....。」

この会社で兵器部門といえばあの部門しか思いつかない。

「そう。時ノ雨兵器開発部だ。」

先日のニュースで国民は驚いた。
何と、この国家が核保有国になってしまったのだ。しかも国産の核ミサイルを持ったのだ。

東側が戦争を仕掛けてくる!

ニュースではそう報道されていたのを僕は覚えている。

だからこそ防衛力を上げなければ!

「どの道この国家は西側の盾だ。戦争が本当に始まってこの国家の旗色が悪くなると奴らは切り捨てるだろうよ。」
アカバが不気味に苦笑しながら言った。
「まあ偶然、僕の名前と核ミサイルの”愛称“が同じなったんだがね。」

核ミサイルの名は仙桜重工業 J-12K ICBM
愛称はイツキだった。

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こんにちは、Seiです。
ここで小ネタですが、イツキと言う名前の由来はは古典文学の随筆『反古のうらがき』において人間に首つり自殺をしたくなるよう仕向けたとされる死神「縊鬼」が由来となっています。



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