多様な若者 共通する思い 〜全国まちづくり若者サミット2023〜
はじめに
こんにちは。⽇本⻘年館 note 学⽣記者の鈴⽊杏実です。2 ⽉ 11、12 ⽇の二日間にわたって、神宮外苑の⽇本⻘年館で「全国まちづくり若者サミット 2023」(通称:若者サミット)が⾏われました。対⾯・オンラインを合わせた参加者は合計で 99 ⼈。たくさんの参加者が集まった中での開催でした。今回、私は参加者として過ごした 2 ⽇間を、登壇者・参加者への取材と私⾃⾝が感じた事も併せて、お伝えしていきます。
地域や団体を越えた学びと交流
今回で4回⽬となる⽇本⻘年館主催の若者サミットは、地域活性化に取り組む若者・これから取り組みたい若者・そのような⼈々を応援したい⽅・⾏政や⼤学企業の⽅など、様々な⽅々が参加します。
若者を中⼼として活動する⾊々な団体の実践発表とグループディスカションを通して、⾃⾝の地域や組織とは異なる⼈々と学び合い、交流することを⽬的としています。今年は計 13 団体が発表を⾏い、トークセッションのテーマ毎に、ランダムで同じグループになった⽅々と語り合っていきました。
自分自身の体験を伝えたい
1 ⽇⽬は、株式会社おてつたびの代表取締役 CEO の永岡⾥菜さんの講演から始まりました。永岡さんはご⾃⾝の地元(三重県尾鷲市)の知名度の低さに驚いたこと、尾鷲と同じように魅⼒はあるのに知名度が低い地域が他にも多くあると知ったことがきっかけで、当時勤めていた会社を退職し、様々な地域を巡りました。そこで⾊々な地域の住⼈と交流したことで、地域の⼈との交流によって地域の魅⼒を知ることができるのではないかと気付き、現在の会社を⽴ち上げたそうです。⾊々なお話の中でも、地域住⺠と旅⾏者を「win-win」の関係で繋げたい、農業を憧れの職業にしたいということなどが、私のやり遂げたいと思っていることと共通する点が多く、勝⼿に共感しながら講義を聞き、実際にサービスを展開して活躍している姿に勇気をもらいました。
他にも事業の⽴ち上げでの注意点をお話ししていたことも印象に残っていたので、講演後にお話を聞きました。
永岡さん:⾃分が実際に事業を⽴ち上げる際に、一番知りたかったのが体験談でした。今回まちづくりに関する活動を⾏なっている⼈が多くいるということで、当時⾃分が知りたかったことを伝えようと思いました。
ただ⾃⾝の事業や思いについてを話すだけでなく、当時経験して感じたことも踏まえて参加者に向けて話すという視野の広さは、特に私が⾒習うべき点だと感じました。
発信が対話につながる
永岡さんによる講義が終わった後、各団体の実践事例発表とグループディスカッションが2⽇間を通して⾏われていきました。最初のトークセッションは、若者視点でのまちづくりを⽬的とした、⾃治体と連携して活動している若者会議の⽅々の発表でした。それぞれ異なる特⾊を持つ地域を活性化させるために⾏う事例や実践⽅法は団体によって違うものでしたが、⾃⾝の地域のために何か貢献したいという強い思いは共通しているように感じました。トップバッターとして発表されていた、ひたち若者かがやき会議の新妻さんはこのように話してくださいました。
新妻さん:今回はまちづくり対して熱量の⾼い⼈が集まる場だったので、その⼈達の時間を奪うような、単なる事例発表だけで終わらせたくはないという思いでした。⼀⾔で「まちづくり」と⾔っても、⼈によって抱える課題は難しく様々なので、全員が真似できるように「私はこう思った」という感情も必要だと思い、個⼈的な思いも発表の中に散りばめるようにしました。
若者サミットでは毎年、多様な地域の団体が集まり発表をしています。⼤阪府富⽥林市からいらっしゃった、富⽥林市若者会議の⽊本さんはこのように語っています。
⽊本さん:今回、どのように組織を回したらもっと輝ける若者会議にできるだろうと考えた時に、⾊々な⼈の意⾒を聞きたいという思いが強く、この場に参加しました。発信することによって、意⾒をもらいたいという思いで参加しました。
私は今まで、若者会議という名称自体は聞いたことはありましたが、若者会議の仕組みや活動など、具体的なことについては今回のサミットに参加するまでは、詳しくは知りませんでした。新しい知識を増やすことができただけでなく、活動に懸ける強い思い・もっと他の人々の活動や意見を知りたいという探究心の強さが強く印象に残り、改めて、私がこれから活動していく中で大切にしなければならないことだと感じました。
同世代の活躍に刺激
また、他のトークセッションでは若者会議だけでなく、中学⽣から⼤学⽣を中⼼に活動する学⽣団体・若者団体による発表も多くありました。島根県益⽥市豊川地区を活動拠点にしている、とよかわっしょいの⼩野さんはこのような思いで発表したそうです。
⼩野さん:せっかくの今回のような⼤きな場なので、⾃分が関わってきたことや活動の魅⼒・地元である益⽥市の魅⼒を伝えられたらいいなと思いながら、話しました。発表時間が 15 分しかなかったので、その中でどれだけ伝えられるかについては、苦労しました。
東京都昭島市などで⾼校⽣によって活動を⾏なっている、未来守の宇佐原さんは、次のように話してくださいました。
宇佐原さん:⾃分達のしてきたこと伝えられれば良いなという思いで発表しました。発表時間が 15 分 1 秒で、1 秒過ぎてしまったのは反省しています(笑)。これからは、他の困っている地域にうかがって、未来守の成功例をお届けしたいなと思っています。
同世代や自分と近い世代が積極的に活躍して、多くの実績を残していることに、私ももっと頑張らないと、という焦りを感じ大きな刺激となりました。しかし、それと同時に、地域活性化のために尽力する学生・若者がたくさんいるという事実は、私も含めて多くの人の励みと活力の源となったのではないかと思います。
地域への思いは共通
参加者として各団体の発表を聞いていた、多摩市若者会議の伊藤さんと、学⽣団体 Y U Z U の鈴⽊さんは、今年の若者サミットについて、このように語っています。
伊藤さん:それぞれ焦点を当てているところは違っても、地域を良くしたいという意識は根底にあると感じました。多摩市若者会議は横の繋がりが薄いので、他団体を紹介できたり、共同して活動するという発想にしなければならないなと、気付かされました。
鈴⽊さん:クロージングセッションで、「私が描く地域の未来」として考えたのは、「⼈と繋がりで溢れる可能性に満ちた、地域に関わるすべての⼈が笑顔になれるまち」です。今回の団体の発表を聞いて、⼈との出会いが⼈を⽀えたり、⼈が⼈を繋いでいくという意味で、まちづくりとは「⼈」が肝だなと改めて感じ、⼈って素敵だなと思いました。
つながりが生まれるって素敵
今まで、地域活性化に取り組む⼈々には様々な⼈々がいる、というイメージは持っていましたが、今回初めて参加した若者サミットによって、⾝をもって実感することができました。⾼校⽣から⼤⼈までという世代の違いや、⾏政に関わっているのか・独⽴して活動するのかという運営形態の違い、活動内容・拠点の違いなど、団体によって様々な違いがありました。しかし、それぞれの地域に貢献したいという気持ちは全団体に共通していて、そのような⼈々が繋がることができたという意味で、若者サミットはとても素敵な場であると感じました。この経験によって受けた刺激を忘れることなく、これからの活動に取り組んでいきたいと思います。
この記事を書いた人:
鈴木 杏実(すずき きょうみ):千葉県在住の高校二年生。映画、ダンス、睡眠が主な趣味。「農業×映像」をテーマとして、地域活性化に取り組むことを目標とする。